心臓移植の旺典君NYに到着

手術まで病院で待機

 生後9か月頃、重度の心不全となり「拡張型心筋症」と診断された上原旺典(おうすけ)ちゃん(3)が5月22日に羽田空港を出発してニューヨークに到着した。マンハッタン北部にあるコロンビア大学附属病院に入院して、心臓移植手術を待つ。日本では小児の心臓移植について2010年に臓器移植法が改正せれたものの、実施件数は極めて少なく、長期の移植待機期間状況が継続。そのため旺典ちゃんの両親は海外での移植を目指すこととした。
 「おうちゃんを救う会」(東京都三鷹市)は18年9月、厚生労働省での記者会見から米国での移植手術のため募金活動をスタート(週刊NY生活2018年12月15日号で既報)。今年1月に目標募金額の3億5千万円を達成し、2月にはコロンビア大学附属病院に前金187万5000ドル(約2億828万円)を入金したものの、メディカルジェット機のメンテナンスに時間を要しすぐの渡米ができずにいた。「救う会」によると、到着後の旺典ちゃんの容態は安定しており元気で、移植待機の手続きや医師による検査等が行われている。
 ニューヨーク市では任意ボランティア団体「フレンズNY」と非営利団体「森の家」「ココからキッズ」が連携して臓器移植のために渡米した子供とその家族の生活面でのサポートをしている。両団体は「旺典ちゃん家族は海外生活経験もなく、普段は我が子の対応だけで精一杯なのに長期の滞在は二重苦。まずは日本とは異なる基本的な生活の立ち上げ支援を行いたい」とコメント。支援活動詳細はフェイスブック「フレンズNY」を参照。