三大盆踊りNYで

ガバナーズ島で日本の文化紹介、8月30、31日

 日本文化をパフォーミング・アーツを通して紹介する団体、ジャパン・パフォーミング・アーツ・インク (JPA、濱田裕子代表)は8月30日(金)と31日(土)午後7時からマンハッタンの南沖ニューヨーク湾に浮かぶガバナーズアイランドで、秋田県の西馬音内(にしもない)盆踊り、岐阜県の郡上(ぐじょう)踊り、徳島県の阿波踊りの日本三大盆踊りフェスティバルを開催する。日本の三大盆踊りがニューヨークで一堂に披露されるのは初めて。日米の愛好家など約50人が踊る。同島の再開発団体から夏の文化行事イベントとして声がかかり、在ニューヨークの三県人会に協力を求め実現することになった。国際交流基金が推進する日本紹介イベント「JAPAN2019」にも認定されている。
 17日午後、日本クラブでニューヨーク日本総領事館の佐藤勝広報センター長、JPA濱田代表、ニューヨーク秋田県人会の山本正俊会長、ニューヨーク岐阜県人会代表の成田敦氏、ニューヨーク徳島県人会の西谷尚武会長の3県担当者代表が出席して記者会見が行われた。ガバナーズ島は、マンハッタンからフェリーに乗って8分でアクセスできる小さな島で、1996年に閉鎖されるまでアメリカ陸軍の駐屯地やアメリカ沿岸警備隊の主要施設として使われた。2003年に国がニューヨーク州とニューヨーク市に同島を1ドルで譲渡し、同州・同市が将来の新しい街、教育と環境思想をベースにした非営利、営利団体が共存する新たな理想の公共空間を開発する計画を立て現在も開発が続いている。
 ガバナーズ島では、5月から10月まで7日間オープンしていて無料のアーツ&カルチャープログラムが開催され、現在では、毎週約1万5000人が島を訪れ、ニューヨークの一つの観光名所になっている。
 JPAが昨年夏、石見神楽をこの島で披露した公演の評判が良かったことから、同島側から2019年のプログラムへの参加リクエストを受けた。
盆踊りが開催されるのはアウトルックヒルで、ガバナーズ島の南に位置する小高い丘の上。自由の女神、マンハッタン摩天楼が一望できる場所で、こちらでパフォーマンスを中心とした公演を行う。アウトルックヒルには、提灯や電光のかがり火などで、盆踊の雰囲気を作り、夕日と自由の女神、摩天楼を望みながらの盆踊を屋外に設置された客席から鑑賞する。盆踊りの鑑賞整理券(無料)は、両日共に当日午後4時くらいから島内で配布する予定(各日限定100人)。
 また盆踊りのほか、31日(土)には正午から午後8時まで、島内ノーランパークで日本食の屋台、模擬金魚すくい、凧あげ、輪投げ、福笑い、スイカ割りなど、昔ながらの遊び・ゲームが紹介される。
 三大盆踊り祭発起人のJPA代表・濱田さんは、「在米中の日本人の子供たちや、アメリカで暮らすさまざまな国の子供達に、盆踊りや遊びを通して、日本の文化、風習などを体験してもらう機会を提供するのもこの企画の目的のひとつ」と言う。

岐阜県の 郡上踊り

 岐阜県の郡上踊りは400年の歴史があり、1996(平成8)年に重要無形民俗文化財に指定されている。特徴は、お盆期間を挟んだ2か月間、町のそれぞれの場所に開催される週末が当てられ、毎週末盆踊りが開催される。
江戸時代に城主が士農工商の融和を図るために、藩内の村々で踊られていた盆踊りを城下に集め、「盆の4日間は身分の隔てなく無礼講で踊るがよい」と奨励したため盛んになった。曲数は全部で10曲あり、踊りの会では1曲長くて50分、短くて15分を踊る。

徳島県の 阿波踊り

 徳島県の阿波踊りは400年の歴史があり、日本国内では極めて有名な踊りで、団体で前進する。江戸時代では、川に囲まれた土地が狭く踊る広場が無いため、盆踊を踊りたい民衆が細い道を前に進んで踊り出したのが今の阿波踊りの原型といわれている。手を高くあげてつま先立ちで踊る独特のフォームは、ほんの36年ほど前(1983年)に一人の女性がやったことから始まったという。

 

 

秋田県の 西馬音内踊り

 秋田県の西馬音内(にしもない)盆踊りは700年の歴史があり、重要無形民俗文化財に1981(昭和56)年に指定された。
踊りの特徴は、優雅でしなやかな踊り。衣装の特徴・絹の着物と花笠、または木綿の藍染の浴衣か彦頭巾。衣装は自前で一人ひとり色や柄が違うが、絹地のつぎはぎの配置などは一定のルールがあるので、全体を見ると統一感がある。盆踊りの輪で踊っている時や、輪の中を通る時は、一切顔を見せず、花笠や頭巾で顔は隠さないといけないルールがある。