漆の心「towan」ザ・アーケード・ジャパンで16日まで

伝統を現代に活かして

日本で人気1位の箸など販売

山本社長

 山久漆工株式会社(本社福井県、山本泰三代表取締役社長)が5日からマンハッタンで開催されているポップ・アップ・ストア「ザ・アーケード・ジャパン」(エリザベス通り251番地)に参加している。

 同社は、1930年創業の漆器製造業で、いわゆる本漆による伝統的な漆器も長く製造しているが、日本人のライフスタイルが変化し、敷居の高いイメージのある漆器離れが進む中で、漆器の「塗りもの」としての技術と、美しい色合いを現代のテーブルに生かすことをめざして、「towan」というブランドを2019年秋に立ち上げた。メインターゲットは30代から50代女性で、テーブルコーディネートに関心の高い人たち。ブランドの発信方法は、リアル店舗はほとんど使わず、インスタグラムのアカウントへのコーディネート写真のポストを通じて発信を続けてきた。

 今回はニューヨークでのお披露目となる海外で初の対面式展示販売となる。ちなみに、同ブランドのお箸(箸飾り付きで12ドル)がコロナ禍にも関わらず人気で、楽天市場で箸部門人気ランキング1位となり、現在も上位トップ10入りを続けている。「towan」は、漆器独特の温もりを感じる優しい色合いを生かしつつ、デザインや色の工夫により、現代的な洋のテーブルでも使いやすい商品を提案するブランドで、塗料は発色を優先、安全な合成塗料を使っている。材料は、木製もしくは樹脂素材。山本社長は「今回の第一歩が、いつの日か、こういう商品をNYでご紹介できるような日に繋がることを夢見て今回のイベントに取り組みたい」と話している。展示販売は16日(日、午前11時から午後7時)まで開催中。