名門大に女性学長続々

アイビーリーグ8校中6校

 全米屈指の女子大であるバーナード・カレッジ(ニューヨーク市)はこのほど、次期学長にフロリダ大学レビン法科大学院の学長であるローラ・A・ローゼンベリー氏を選んだと発表した。7月1に就任する。

 ローゼンベリー氏はフェミニスト法理論、雇用差別、家族法などを教えていた。2015年にレビン法科大学院では初となる女性の学長に就任した。バーナード・カレッジはコロンビア大学の一角を占め、リベラルアーツの名門女子大学。2017年にサイアン・ベイルロック氏(認知科学者)が同大学初の女性学長として就任した。今回、ローゼンベリー氏が決まったことにより2期続けての女性学長となる。ベイルロック氏は今度はダートマス大学で初の女性学長として就任する。

 米国では名門大学を中心に女性学長が増えており、アイビーリーグでは8校のうち6校が女性学長となっている。ハーバード大学は昨年12月、女性学長として2人目となるクローディン・ゲイ氏(政治学者)を指名した。ゲイ氏は親がハイチ系移民で、同大初の黒人学長ともなった。なおハーバード大は2007年に早くも同大初の女性学長、ドリュー・ギルピン・ファウスト氏(歴史学者)を誕生させている。マサチューセッツ工科大学(MIT)も今年1月、同大で2人目となる女性学長、サリー・コーンブルース氏(細胞生物学者)が就任した。

 ニューヨークにあるコロンビア大学は今年1月、次期学長に同大初の女性学長となるネマト・シャフィク氏(経済学者)を選んだ。7月に就任する。またニューヨーク大学(NY
U)も2月15日、次期第17代目学長に長年同大学で理事を務めたリンダ・ミルズ氏を選出した。創立1831年以来、同大学初の女性学長に就任する。女性学長の増加は世界的な傾向だ。 

女性学長少ない日本の大学

世界的には増加の傾向

 大学における女性学長の増加は世界的な傾向で、英オックスフォード大、英ケンブリッジ大なども女性が事実上のトップとなっている。女性がトップの大学は例年増え続けており、英教育誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)が3月6日に発表した2023年版の世界大学ランキング上位200校を見ると、すでにその数48校にのぼっている。日本で200位以内に入るのは東京大学と京都大学だけだが、学長はともに男性だ。国内の約800大学のうち、女性学長は13%ほどで、米国が30%、EUが平均22%ほどだ。日本の主要大学では日本大学の林真理子理事長、津田塾大の高橋裕子学長、北里大学の島袋香子学長、東京外国語大学の林佳世子学長らがいる。東京六大学初の女性総長としては田中優子氏が法政大学の総長を2014年から21年まで務めた。また国際基督教大学(ICU)の前学長は日比谷潤子氏で2012年4月から20年3月まで務めている。