海外から日本どう見える?

国際女性デー討論会

ー日本クラブとJCCI共済ー

日米で活躍の6人

ニューヨークで生き残るための10の法則 : 渡邊さん

仕事に必要な4C: ディメイさん

自己肯定できる教育環境を: 小林さん

対話の構築が重要: 小巻さん

同じ考え持つ人の連携を: 及川さん

〇〇するべきからの脱却: 大塚さん

 会場には、ディメイ美代子さん(Tiffany & Co. Japan Inc. 前代表取締役社長)と、モデレーターを兼務した大塚泰子さん(IBMコーポレーションパートナー)、現在コロンビア教育大学院に留学中の「ビリギャル」本人の小林さやかさんの3人が登壇。また、渡邊裕子さん(HSWジャパン共同経営者、株式会社サイボウズ社外取締役)、小巻亜矢さん(株式会社サンリオエンターテイメント代表取締役社長)と、及川美紀さん(株式会社ポーラ代表取締役社長)が日本からオンラインで参加した。

 イベントは二部制で、第1部ではニューヨークで生き抜く上でどのようなことが求められるか、また多様性の観点から価値観の違いを考える「海外と日本、働き方や生活・価値観の違い」を、そして第2部では日本が変わるために何が必要なのかを問う「海外から見た『日本が再成長するために』」をテーマに意見交換を行った。まず、渡邊さんによる「ニューヨークで生き残るための10の法則」が紹介された。「以心伝心はないと思え」「必要とあらば喧嘩することを厭わない」「他人と違うことをプラスだと考える」「自分のことは自分で決める」など、この法則をもとに各パネリストが意見を述べた。

 ティファニージャパンの元代表取締役社長ディメイさんは、ダイアモンドの価値を評価する4Cになぞらえて仕事に必要な4Cをcuriosity(興味)、courage(勇気)、confidence(自信)とconsideration(思いやり)だと表現。「日本人は完璧を求め過ぎる。もっと褒めてご褒美をあげるべき」と話した。

 小林さんは「自信のなさが根底にあり、日本人のすごさを自覚していないと思う。自分の親や周囲の人がそうであったように、自己肯定する思考パターンGrowth Mindset(成長マインドセット)の教育環境が日本の子供たちに必要なのではないか」と述べた。

 小巻さんは10の法則をその通りと思いながらも、サンリオの理念である『みんな仲良く』を挙げて「衝突を恐れないことは日本でも重要だが、その先にある対話の構築がもっと重要だ。柔軟性を持って女性ならではの強みを発揮して生きていけると良いなと思う」とした。

 日本に一時帰国中のためオンライン参加した渡邊さんは、多様性について「日本も『出る杭を打たない社会』になるべき。そうすれば、その人の持つ特徴を生かせる会社づくりもできる」と述べた。

 及川さんは「女性たちが作りたい未来を考えて行かなければならないと思う。そのために自分の意志を持って声を上げ、同じ考えをもつ人と連帯すればみんなの声になる。みんなが声をあげて行くことができたらいいな」と述べた。

 大塚さんは及川さんのコメントを受けて「○○するべきという考え方から脱却して欲しい。そして今回のイベントを良い機会として、ここに集まった参加者の声を集め、『連帯する』をキーワードに良いムーブメントを起こせたら」と話した。

 当日は定員を超える80人以上が来場し、登壇者らの話しに大きくうなずきながら耳を傾けた。また、意見交換後に設けられたネットワーキングの時間には、準備されたワインとチョコレートを片手に来場者同士が和やかに歓談した。

 日本クラブでは同イベント視聴希望者からの問い合わせが多数あったため、今月16日(木)から22日(水)までの1週間限定で、オンデマンドにて録画映像が配信される。視聴料は5ドル(配信期間中は何度でも視聴可能)。申し込み・詳細はウェブサイトhttps://www.nipponclub.org/を参照する。(高田由起子、写真も)