東日本大震災から 11年、ほくほく会が追悼式

 東北6県と北海道出身者などで作る連合会「ほくほく会」は3月6日午後ニューヨーク日系人会で第11回東日本大震災追悼式を対面方式とオンライン方式のハイブリッドで開催した。式典では、ニューヨーク総領事館、兵庫県人会も参加し、被災地から最近の復興状況についてのリポートがあった。後半は東北ゆかりの芸能を楽しんだ。

 ニューヨーク総領事館の坂本徹領事部長が冒頭挨拶し「震災による大きな犠牲の下に得られた貴重な教訓を決して風化させてはならない。内閣府の発表では、事前に地震、津波への防災対策を立てることによって、被害は8割ほど減らせるとしている。私たちひとりひとりが、教訓を次の世代に積極的に伝えること、防災対策に役立てていくことこそ、我々の責務」と述べた。続いて今年の幹事県、NY宮城県人会を代表して白田正樹さんが挨拶した。

 白田さんは「2年ぶりに対面で開催でき、懐かしい顔ぶれと再会できてうれしい。10年ひと昔で最近はめっきり追悼会は少なくなったが、これも時代の流れ。ただ、我々東北・北海道出身の者にとって東日本大震災はいわば当事者の問題とも言っていいもの。年に一度のこの追悼会は続けていきましょう」と述べた。また兵庫県人会のジョシュ大西会長が「毎年追悼式に参加することが次世代に受け継ぎ、風化させないことになる」と述べた。

 被災地からのリポートでは岩手県が「復興の歩み」と題するビデオを上映、福島県は経済産業省からコロンビア大学に留学中の相原翔さんが「福島の未来に向けて」と題しスピーチ、宮城県人会は演劇「いのちのかたりつぎ」について企画・演出を担当した都甲(とこう)まり子さんが報告した。

(写真)追悼式でスピーチするNY宮城県人会の白田さん