伝統と革新のファッション日本から上陸

SAKURA COLLECTION & SOUND OF IKEBANA

 ニューヨーク・ファッション・ウィークで日本の「伝統素材を生かした装い」と「革新的なメディア・アートを生かした装い」のふたつの発表が注目を浴びた。

 京都大学でAI時代に新しい価値を生み出すアート・イノベーションとアート&テクノロジーの教育に従事する土佐尚子教授が10日午後6時30分、チェルシーインダストリアルで最新作を披露した。土佐教授は、主に音と映像の関係から新しい価値を生み出すことに関心を持つニューメディア・アーティスト。

 今回のテーマは生命賛歌。ブランドの特徴は、デジタルテキスタイルプリント技術を駆使し、ニューメディアアートをファッション化すること。2000コマ/秒の高速度カメラで、肉眼では見ることのできない赤ちゃんの泣き声や心音から生まれる形をとらえた。それはパワーファッションと呼ばれる 生け花の音として表現した。エプソンのスポンサーの元、アイウエアのLucky Selectism とジュエリーデザイナーの堂園まりことのコラボ。卵の膜から繊維を作った京都のファーマフーズとコラボしてマントを作成、音楽は現役の京大生が担当した。=写真右・三浦良一撮影=。

 またニューヨークファッションウィークが始まった7日、ピエールホテルでは、SAKURAコレクション2024が行われた。セントラルパークの東側1920年に建てられた歴史あるホテルに、100人以上のメディア、ファッショニスタ、インスタグラマーなどが集まり会場は華やかな雰囲気に包まれた。

 日本の伝統素材を使い世界のデザイナーとのコラボコレクションを展開するSAKURAコレクション(代表理事・田畑規子、所在地・東京都品川区)が、今年は、中伝毛織の再生ウールを使ったシンガポールデザイナーのSabrina GOH、栃木県の佐野正藍を使ったイタリアのデザイナーFLORANIA、 新潟県の小千谷縮を使ったウクライナのDZHUS=写真左・植山慎太郎撮影=など、新進気鋭のデザイナーの作品とコラボした作品とともに、DJミュージックに合わせた和太鼓や尺八の演奏とともに、キャットウォークやダンスで、ニューヨーカーの拍手を集めた。