感動を世界とシェア 俳優 松坂龍馬さん 

現在、ニューヨークを拠点に俳優業と映画製作活動を行う松坂龍馬さんは2014年に来米。映画好きだった父の影響で、中学生時代から将来は俳優になると決めていた。 高校を卒業するとすぐに東京の小劇団に所属し、舞台中心の活動を本格的に開始。その後、映画の世界へ進み、唐沢寿明や山本太郎主演の商業映画など多数の作品に出演した。20歳の時にはじめて訪れたニューヨークで見たミュージカル「オペラ座の怪人」に深い感銘を受け、その感動を忘れられずに、30歳になった時点で一心発起してニューヨークへやってきた。 世界の中心といえるこの街は、保守的な日本とは違い、マイナーな分野でもアートや演劇、エンターテイメントに対する人々の理解が深い。その自由でクリエイティブな雰囲気を肌で感じ新たな表現活動を模索し始めた。来米当初は生活が苦しい時もあったが、路上パフォーマンスやバンド活動など、興味のあることを積極的に取り込むうちに、徐々に演劇界のネットワークも広がっていく。自分の原点だった「舞台」の活動をオフブロードウエーで実現することを目標に、現在は大平洋戦争時、実際に存在し、「青い目のサムライ」と呼ばれたアメリカ人と日本人のハーフの日本兵の心理的葛藤を描いた小説をもとに作品制作のため脚本を執筆中。  また、ニューヨークで活動を続ける日本人俳優と監督とで新しいコミュニティーサロン「HISALO」を立ち上げ、アーティスト同士の新しい表現活動や可能性について話し合い、人間関係の構築に務めている。 松坂さんは、「自分が受けた演劇の感動を世界中の人と分かち合いたい」と話し、今後も俳優業だけでなく、作品制作全体に関わって仕事をしていく方針だ。ブッシュウィック在住。HISALOホームページ:https://successinnyc21.wixsite.com/hisalo