憧れのマーサグラハムに入団

ダンサー 佐藤 碧さん

 1995年生まれ。千葉県出身。10歳からリスコムインターナショナルバレエスクールでバレエとコンテンポラリーダンスを学び、クラッシック・バレエ一筋でレッスンを続けた。骨格的な面での限界や型を美しく演じることが要求されるクラシックバレエの世界でいかに自分らしさを表現できるのかに悩んだ。「何かうまく行かない。一線を超えられない壁にぶち当たった、そんな時にコンテンポラリー・ダンスの存在を知った。

 2014年、米国の名門アルビン・エイリー・アメリカン・ダンス・シアター付属スクールでスカラーシップ生としてホートン、グラハム、ジャズ、ウエストアフリカンやタップなど様々なジャンルのダンスを学ぶ機会を得た。エイリー学生時代にはエイリーカンパニーのNYシーズンのパフォーマンスに出演。

 2017年からマーサ・グラハム・ダンスカンパニーのセカンドカンパニー、グラハム2に2年間所属し、ニューヨークの幼稚園児から高校生へのパフォーマンスやダンスレクチャー、また他ダンスカンパニーとのコラボレーションパーフォーマンスやNYシーズンで多くの作品で主役を務める。グラハムテクニックの教師課程を終了。

 2019年、マーサグラハムダンスカンパニーにアプレンティスとして入団。これまでアメリカの様々な都市へのツアーに参加。入団3か月にし、マーサグラハムの代表作「アパラチアの春」の創作75周年記念パフォーマンスで主役の花嫁に抜擢された。

 マーサグラハムのレパートリーは、歴史に関係し、時代を反映した作品、また神話を基にした作品が多い。「これからはアメリカ国内だけでなく世界各国に、人種や年代を超え、人の心を動かせるダンサーになりたい。将来、培った経験を日本でも広め、ダンサーを育て世界に送り出したいという夢もあるが、今はパフォーマーとして自身の限界を常に超えていきたい」。同ダンスカンパニーでトップダンサーのプリンシパルを務めた日本人ダンサー、折原美樹という大きな目標がある。

(三浦良一記者、写真も)