ハーレム発のデザインを仲間と

ジュエリーデザイナー
鈴木麻衣子さん

 マンハッタン北部に位置するハーレムは、1920年代から黒人文化の中心地として知られ、近年は治安改善が進み再開発めざましく、お洒落エリアとしても注目されている。
 ジュエリーデザイナーの鈴木麻衣子さんはハーレム在住18年、昨年末にハーレム発の手作り品を集めた「ハーレム・メーカーズ・コレクティブ」をデザイナー3人で立ち上げた。立ち上げ仲間であるドイツ人のハイケ・ジャリックさん、ブラジル人のカレマ・アルメイダさんとは、3年ほど前から月2回実施されていたポップアップ店への出展で知り合った。「その店が急に閉鎖になって。じゃ、自分たちで」と意気投合、ジュエリー、衣服、チョコレートなど出展を呼びかけけると約20人が集まり、画廊を借り切って3日間実施し好評を得た。空きスペースを利用するポップアップ店を経営する人が増えているなか、「ビジネスではなく発表の場を共有する」のが最大目的。「今はどんどん応募があって、ハーレム在住のデザイナーが多いことが分かった。みな地元の人に知ってもらいたいという気持ちが強い」。2月上旬に2回目を実施予定で、3人で審査して選抜している状態だという。
 鈴木さんは、「マンハッタンで安めで広めのアパートがあった」という理由でハーレム在住を選んだが、もともとアフリカのアートなど異文化に興味があったから、イスラミックのカリグラフィを学ぶなど大好きな場所になった。週日はミッドタウンにあるアパレル企業の会社員として多忙な毎日、気に入っているのは「何より静か」。
 両親ともグラフィックデザイナーで、幼少期から絵画は先生につきグラフィックデザインは両親から学び、何か作るのが好きだった。高校卒業後に来米、マンハッタンの美術学校パーソンズに就学して、デニムのデザインを手掛けるアパレル企業で働くかたわら、ジュエリーデザインを始めた。今は2店舗に常時置かれているほか、ブルックリンのポップアップ店などから出展の声がかかる。地元ハーレムのレストランのロゴマークデザインを引き受けるなど多才。余暇は「運動」、週4日トレーナーをつけて身体を整えているという。東京生まれ。
(小味かおる、写真も)

■「ハーレム・メーカーズ・コレクティブ」ポップアップ=2月1日(金)午後2時から9時、2日(土)午前11時から午後9時、3日(日)午前10時から午後6時まで、ギャラリーエイト(フェデリックダグラスブールバード2602番地、139丁目の角)で開催。詳細はインスタグラムwww.instagram.com/harlemmakerscollective/?hl=enを参照。