マーゴット・ロビーに聞いたバービーを作って演じるまで

 2023年の怪物並興行収入、全米で1・4億ドル、全世界で2・9億ドルを記録した「バービー」の主役のみでなく、制作も手掛けたマーゴット・ロビーを紹介しよう。

 ちなみに本作はゴールデングローブ賞では9部門で候補になり、オスカー賞も最多部門で候補になることはほとんど確実、と賞レースでもダントツの本命なのである。

 豪州はクイーンズランドに1990年7月2日に生まれ、水泳で知られるゴールドコーストで育った溌剌とした健康美と完全なプロポーションのゴージャス!な女優、しかも話をすると田舎育ちならではのおおらかな人間性が覗いて、親しみが持てるし、自分の美しさやグラマー性に重きを置かず、常に仕事に邁進しようという覇気が感じられる頼もしい女性だ。

 そして既に「アイ・トーニャ」と「ボムシェル」(邦題「スキャンダル」)で2回もオスカー候補になっている。

 さて「バービー」については、

「実はお人形で遊ぶより、外で要塞を築いたり、男の子と競り合うのが大好きだった。だから最初はこの映画は制作だけで他の女優を起用しようと思っていたのよ。でも一旦バービーを演じると決まったら役作りに集中するために自分の周囲をピンクに統一してバービーの世界に突入し、女性の共演者とホテルでスリープオーバーを計画し、パジャマのまま、同じ部屋でゲームをしたり、一緒のベッドで寝たりしてチームワークを結成、女性パワーの台頭を実体験しました。

 ベニスビーチでロケをした時、物凄い注目を浴びて、ヒットする映画になるかもという予感を持ち、男性にも受ける映画になりそうだとワクワクしたのです。

 ケン人形にはどうしてもライアン・ゴスリングが欲しくて、やっと承諾した時に、毎日プレゼントを贈るからと約束してしまい、以来、毎日欠かさずケンならではの、プカシェルのネックレス、変わったランチボックス、などなど贈って、探すのが一苦労でした」。

などとケラケラと笑いながらコメントしている。

 オーストラリアでの生い立ちについては、

「サトウキビの農場を持った父とセラピストの母親のもと、二人の兄と姉、弟一人の4人兄妹と育ちました。だから畑仕事は私達の日常だったのよ。父と別れた母は祖父母に私達を預けてシングルマザーとして苦労していたので私も16歳の時から3個のアルバイトを掛け持って母を助けていたの。小さい時から女優を目指して、17歳の時にローカルのテレビの役を得て、それからはかなりラッキーな道のりだったわね。オーストラリアでは怪物番組の「ネイバーズ」のゲストで出演したら人気が出てレギュラーに昇格したり。

  今、兄はスタントマン、弟も俳優を志していて、姉は私と全く正反対で私が外で飛んだり跳ねたりしている時、家の中で読書、私の体は幅があるけれど姉のは細くて、今は会計士をしている。同じ両親を持って、同じ家で育って、これほど異なる性格と体格を持つっていうのもすごく不思議だと思わない? 私にとって世界で一番大事なのが家族。兄妹みんなとっても仲良しなのよ」。

 英国人のトム・アッカレイと2016年に結婚、二人で制作会社を仲良く、共同運営している。次は「オーシャンズ・イレブン」で再びライアン・ゴスリングと共演だそうで、何とも楽しみではないか。