さあ行こう! 魅惑のアメリカ旧国道「ルート66」
ルート66ファンの皆さん、こんにちは!2021年、すでに2月も終盤です。ここ東京首都圏は年明けより長く晴天が続き、春めいた日もチラホラ、比較的暖かい冬になっています。でもNYは連日の雪と氷点下のようですのでトライステートの皆様は風邪等ひかないようご自愛ください。さて、先月から新しくスタートしましたシリーズ④では、ルート66を実際に旅するモデルプランのご紹介をしていきますが、第1弾はアリゾナ州のルート66を代表するイベントに絡めて旅をしてみましょう!
今回の旅のスタート&玄関となる空港はネバダ州ラスベガスが最適でしょうか。ラスベガスからイベントが行われるキングマンまでは約110マイル、2時間弱の車の旅となります。イベントは「Arizona Fun Run」。1988年に始まり、毎年5月の最初の週末にアリゾナ州ルート66の中心の一つ、セリグマンという街をスタートするモーター・イベントです。今年は4月30日(金)〜5月2日(日)に予定されており、本原稿執筆時点では延期・中止の情報はありません。
セリグマンまで行きますと、フラッグスタッフまで足を延ばすことも充分可能ですが、そこまで行くと更に他にも見どころが出てきますので、今回はセリグマンから西へ向かう、イベントに沿った旅をご紹介します。
ラスベガスを出て南下しますとヘンダーソンという街に着きます。元々ラスベガスで働く人々のベッドタウンのような位置付でしたが、ここ何年かはカジノも増えすっかり「地元民のラスベガス」となりました。ここからはインターステート11号線に乗り、キングマン方面へと行きますが、途中に「フーバーダム」もあるので小休憩するには良い観光スポットかもしれません。その後は州道93号線をひたすら南下します。周りに何もないのでついスピードが出ますが、待ち構えているポリスがいるのでご注意ください。キングマンに着いたら、セリグマンまで早く行きたい場合は直にインターステート40号線に乗れば、約1時間で行けます。せっかくなので「往復ともルート66を走りたい!」という方はルート66を走れば2時間弱でセリグマンに着きます。途中の街、アンタレスでは「Headacus」というイースター島のTIKIと呼ばれる石像、ハックベリーでは写真スポットもある著名なお土産屋さん「General Store」、トラクストンでは今は営業していない「フロンティアモーテル」、ピーチスプリングス近辺にはウラパイ族の居留区とお土産屋さんがありますので、それぞれ時間を取って立ち寄ることをおススメします。
イベントに参加(しなくてもOK)する場合、セリグマンでのレジストレーションは金曜日の夕方なので、それまでに着いておく必要があります。このイベントは、通常なら米国内はもとより世界中のルート66ファンやクラシックカーファンが詰めかけますので、事前の宿泊地の確保は必須です。一昨年の登録車数は800台超!でした。土曜日の朝10時にセリグマンを出発するクラシックカーの一団は、ゆっくりと楽しみながらルート66をキングマンまで、日曜日には更にキングマンから最終目的地のトポックまで、ルート66中「最も長く途切れないルート66のストレッチ」と言われる140マイル(約224キロ)を走ります。締めのパーティはトポックで行われますので、皆さんそれぞれのスケジュールに従い、セリグマン、キングマン、トポックであればそこから州を越えて(ただ川を越えるだけ)すぐのニードルスという街でお部屋を確保しましょう。セリグマンであれば「Historic Route 66 Motel」「Supai Motel」、キングマンなら「El Trovatore」がルート66ファンにはおススメですが、キングマンは大きい街なので、ベストウェスタン、ラマダ、マリオット等、大手チェーンのホテルも沢山あります。ニードルスまで行かれるのであれば「Fender’s River Resort」が最高です。リゾートといっても「高級リゾートホテル」ではないのでご安心を。
このようにざっと書き並べてきましたが、一例として金曜の早朝にラスベガスを出発し、フーバーダムに寄り、キングマンからはルート66を走り、途中止まりながら夕方6時にはセリグマン入り。土曜日はイベントに参加するしないに関わらず、キングマンまで行き、トポックまで行かないのであればキングマン泊。行くのであれば土曜日中にオートマンの村を経てニードルスまで。ニードルズは1日あれば観光もできますから、あとはラスベガスでどれだけの時間を使うか、が全体滞在期間の焦点だと思います。またセリグマンまで行ったのであれば、あの「伝説の」エンジェルさんに是非お会いしてもらいたいです。エンジェルさんは、ルート66の廃線後、その歴史と文化を残すためにルート66最初の正式支援団体を立ち上げました。彼の尽力はその後ルート66が通る8州全てにおいて支援団体が組織されることに繋がりました。エンジェルさんは高齢なのでお店に顔を出すのは開店直後の30分程度と、夕方に「もし体調が悪くなければ」という感じです。絶対に会いたい!という方は木曜日の夜にはセリグマン入りした方がいいかもしれません。セリグマンは、わずか1キロほどのルート66歴史保存地区にたくさんの撮影ポイントがあります。かつての繁栄を肌で感じる事ができ古き良き時代のアメリカが残る町として人気が高いです。
こうやって見ると全てのことを細かくご紹介するのは紙面の都合上難しいですね。「ここの部分をもっと細かく聞きたい」等、ご質問がございましたらお気軽に週刊NY生活編集部(info@nyseikatsu.com)を通じてご連絡ください。一人でも多くの読者の皆さんに実際にルート66を体験頂ければ幸いです。また来月お目にかかります!
(後藤敏之/ルート66協会ジャパン・代表)