7店舗閉店決定のいきなりステーキ米国川野社長本紙に語る

「第1ラウンドは破れたが、第2ラウンドでまた闘う」

  いきなりステーキを米国で11店舗展開中のKUNI’S CORPORATION(川野秀樹社長)は14日、「いきなり!ステーキ」米国初店舗のEAST VILLAGE店と西46丁目の5番街と6番街の間にある「5番街店」の2店舗を残し、7店舗を順次6月までに閉店し、ブロードウエー店など2店をさらに カジュアルな店「ペッパーランチ」に衣替えすると発表した。
 同社は、2017年2月23日に1号店をオープンし、その後も出店を重ね、現在ニューヨーク市内で直営店11店舗を展開しており、昨年10月にはNASDAQ(ナスダック)上場を果たして米国での知名度・信用度を向上に努めてきた。
 川野社長は、本紙の取材に応じ「1年間で10店舗を急展開で開店させたことにまず、お客様の認知がついていかなかったこと、従業員教育がうまくできなかったこと、昼間は混んでも、夜はガラガラの店が多く、厳しかった。昨年11月29日にブリーカー店を開けたあたりで、かなりよくなくて、米国展開の軌道修正を考えた。アメリカではステーキというのは、特別の日に予約を入れて、みなで着席してゆっくりと食べ て味わう文化がある。そこに日本式の安くてカジュアルなステーキでは、アメリカの土壌に馴染むのに時間がかかることが分かった。急展開は、日本ではうまくいったペースだが、アメリカで日本式にやっても無理があった。昨年ロサンゼルスでオープンしたペッパーランチ(カジュアルステーキハウス)は人気で、ニューヨークの3月開店は期待している。隣はエンパイアステーキだが、オープニングにはそこの社長も呼ぼうと思っている。第1ラウンドは破れたが、第2ラウンドでまた闘いたい」と起死回生の意気込みを見せた。
 今回の決定について同社は「私どもは、日常的にステーキを食べるカジュアルステーキ文化、ジャパニーズステーキハウスをアメリカに根付かせるため、今回ドラスティックな戦略を採用することが決定いたしました」とリリースで発表した。
 今後の具体的方針としては、「いきなり!ステーキ」は、ブランド力をあげることに焦点をあてるため、7店舗閉店し「より多くのお客様から愛されるサービス、そしてご利用いただきやすい環境・雰囲気を作り上げてまいります」という。また、今春、アジア、カナダ、オーストラリアで200店舗以上を展開し、2018年にはLAでも2店舗出店し、大人気のDIYファストフードステーキハウス「ペッパーランチ」が、ニューヨーク(アメリカ)に初上陸する。現在の「いきなり!ステーキ ブロードウェイ店」を業態変更し、3月中旬に開店を予定しており、その後も、数店舗をオープン予定。「目の前でジュージューと音を立てながらステーキが焼き上がる興奮と感動を体験」できるそうた。さらに今夏、ラスベガスにも新店舗をオープンする予定。「全米にステーキ旋風を巻き起こし、ジャパニーズステー キハウスを広めてまいります。KUNI’S CORPORATIONはこれからも、「ステーキ」をより多くの人に、お腹いっぱい食べていただき、おいしい笑顔、楽しい時間をお届けできるように努めて まいります」との会社としてのコメントをニュースリリースで発表している。