11回目のカーネギーホール演奏はソロで

マリンバ奏者

ミカ・ストルツマンさん

 ボストン在住のマリンバ奏者、ミカ・ストルツマンが5月2日カーネギーホールにおける自身11回目となる一夜限りのコンサートを行う。当日はバッハ作品のシャコンヌ、無伴奏チェロ組曲第3番、ポール・サイモン、ジョエル・ロス、チック・コリア、ジョン・ゾーンが書き下ろしたソロマリンバ作品、またムーンリバー、オーバーザレインボー、あんたがたどこさ、などのアレンジ作品の演奏を予定している。今回のカーネギーリサイタルは初めてマリンバソロ曲だけによるリサイタルとなる。  

 ミカは2000年トロント大学上級演奏学科修了後、2001年東京とカーネギーホールでリサイタルを開催して本格的に演奏家としてデビューした。

 2008年熊本県天草市からニューヨークに移住してNYを拠点に演奏活動を展開している。過去10回に渡るカーネギーホールでリサイタル開催を始め、PASIC2005,2007出演などクラシックとジャズを縦横無尽に操るニュー・ジャンルのマリンビストとして現在までに世界22か国66都市で公演を行っている。

 特に2001年、S・ライヒの「東京/バーモント・カウンターポイント」を編曲演奏してライヒ本人のCD『Triple Quartet』(ノンサッチ)に収録されブージー&ホークスから楽譜も出版されたことで世界的に知られた。これまでに10枚のCDアルバムとライブDVDをリリース。そのうち3枚はスティーヴ・ガッドのプロデュースによるジャズ・ポップアルバムという華麗な経歴を持つミュージシャンだ。

 近年は、グラミー賞を19回受賞している名プロデューサー、スティーブン・エプスタインとタッグを組みレコーディングを積極的に進めている。2017年にCD「Duo Cantando」(日本コロンビア、Savoy、チック・コリア等も参加)、19年英国AVIEレーベルからはクラッシックCD「Palimpsest」、米ナクサスからジャズCD「Tapereba」どちらも日本盤は東京エムプラスからリリースしている。昨年は、2枚のCDアルバムとLP(ディスクユニオン)をリリース。今年はマリンバ全ソロによるCDアルバム(ディスクユニオン)をリリース予定するなど多忙な毎日。

 作品の委嘱も頻繁に行い、これまでチック・コリア、ジョン・ゾーン、大島ミチル、マルコス・ヴァリ、T・マッケンリー、挟間美帆、ジョエル・ロス等の作曲家から曲を捧げられ世界初演している。

 演奏家として眩しい限りの実績だが、本人は淡々としている。「1、2曲は夫であるクラリネット奏者のリチャードがジョイントする予定ですが、何度も演奏しているカーネギーのワイルリサイタルホールでたった一人でステージに立つのは今回が初めて。自分にとっては大きなチャレンジとなりますが、シンプルな中の重厚さを目指します。そしてマリンバの魅力を感じて頂けたら本望です。新譜CDアルバムもこの時に先行リリース販売しますのでぜひ皆様ご来場ください」と話している。

 入場料は50ドルから。(学生は30ドル)。チケットはカーネギーホールのウェブサイトcarnegiehall.orgから。(三浦良一記者、写真は本人提供)