米国に渡った女性たち描く

メールオーダーブライドで

河原その子演出

 フィリピンからメールオーダーブライドと呼ばれる結婚紹介システムで、米国に渡った女性たちの実話をもとにした演劇「Export Quality」が12月3日(日)から17日(日)まで、ヒア・アーツセンター(6番街145番地)で上演される。脚本はエリカ・ミゲル、キャロリン・アントニオ、ドロテア・メンドーサ、演出は河原その子。上演時間は85分、休憩なし。公演は火曜から土曜の午後8時30分から、マチネは水・土・日曜の午後4時から。

 入場料は35ドル。チケット・詳細はウェブサイトhttps://here.org/を参照。また、経済的支援が必要な人のために各公演先着順で10ドルのチケットを10枚用意している。ACCESSのコードで利用できる。ひとり2枚まで(空席状況により利用できない場合もある)。

NYを拠点に活躍する演出家、河原さんのコメント。

「メールオーダーブライドというシステムは昔から、日本社会でも男性が海外からお嫁さんを探す方法として知られています。フィリピンからの女性が多いのは英語が母国語であること、尽くす女性というイメージ、フィリピン政府がかつて自国民を支えきれないので、海外出稼ぎや、嫁にゆくことを奨励していたなどさまざまな問題が背景にあることを、今回この舞台に演出家として参加することで学ぶことが多くありました。今の日本の在り方 (実技研修生と称しての労働搾取、日本人の海外からの移民の認識の仕方、また若者が海外で稼ぎを目指す現在)、意識化に植え付けられている女性蔑視など、これ以上目をそむけてはいけない事実に直面させられる思いです。実話がもとの群像劇ですが、プロジェクションを多用した、視覚的にも革新的な舞台作りを目指しています。今までに見たことのない舞台を見てもらいたいと思っています」