アニメ祭5万人、日本勢に長蛇の列

 アニメや漫画など日本のポップカルチャーの祭典「アニメNYC」が11月19日から21日までの3日間、マンハッタンにあるジャビッツセンターで開催された。前日までに5万人分が売り切れ、初日の18日は入場するのに4時間も待たされる混雑ぶりだった。(写真:「鬼滅の刃」のコスプレをしたファンたち)

 コロナがまだ収まっていないこともあり日本からのゲストは少なかったが、英語吹き替え版の声優の参加が充実しており、ドラゴンボールZの孫悟空役のショーン・シュメルや「進撃の巨人」のエレン・イェーガー役のブライス・パペンブルックら人気声優が集結。「鬼滅の刃」の主人公竈門炭治郎役の声優ザック・アグラーさんらのシンポジウムには1600人収容の会場に入りきれないほどの盛況となった。日本からは「アップルシード」(2004年)や最近では「攻殻機動隊 SAC2045」で知られるアニメ監督の荒牧伸志氏のパネルディスカッションやサイン会が行われ好評だった。「僕のヒーローアカデミア」などで知られる作曲家・林ゆうきさんのコンサートや、日本のVチューバーと回線でつないでの初のホロライブなども行われた。「ベルセルク」で知られる漫画家で今年5月に54歳で亡くなった三浦健太郎さんを追悼する大型ボードが設置され、多数のファンが書き込んでいた。

 日本企業はおなじみのバンダイナムコや紀伊国屋書店などに加え、講談社USAが「進撃の巨人」展、エン・プレス(KADOKAWA)が「トイレの花子君」、アニプレックスが「鬼滅の刃」などの展示で参加した。日本政府観光局(JNTO)もブースを出し、コロナ後をにらんだ観光キャンペーンを行った。在ニューヨーク日本国総領事館も協力し、総領事の山野内勘二大使が19日のオープニングに先立ち「鬼滅の刃」のテーマ曲「紅蓮華」を同館SNSでギター演奏し公開した。(武末幸繁、写真も)