石原裕次郎の3傑作

ジャパンソサエティーで15、16日上映

© Courtesy of the Inoue & Tsukioka Movie Foundation

映画監督・井上梅次(1923〜2010)が日活スタジオで手掛け、昭和の大スター石原裕次郎が主演した傑作3作品の新4Kデジタル復元版上映会が、12月15日(土)と16日(日)の2日間、ジャパン・ソサエティー(JS=東47丁目333番地)で開催される。1957年に劇場公開されたミュージカル映画3作品は当時、絶大な人気を誇り、日活の赤字を救ったとも言われている。井上・石原コンビ初作品となる情熱と愛の力勝負を描いた「勝利者」、日本初船上で撮影された男女の三角関係と復讐を躍動感あふれるアクション満載に詰め込んだ「鷲と鷹」、石原裕次郎のスター性を確固たるものに築き上げた「嵐を呼ぶ男」。いずれも井上監督が脚本も担当。英語字幕付きデジタル復元版で上映する。

4Kデジタルで復刻版

勝利者=15日(土)午後2時15分、16日(日)午後6時45分。
 宮川夏子(南田洋子)との恋愛による動揺で5年前、チャンピオンを賭けた試合に敗れたボクサー・山城英吉(三橋達也)は、クラブ「チャンピオン」の支配人に落ち着きながらも、かつての自分の夢を有望な新人に託して果そうと必死になっていた。夏子との結婚もそっちのけで英吉は無名だが将来性あるボクサー・夫馬俊太郎(石原裕次郎)を発見する。英吉は俊太郎に女性との交際も禁じ、トレーニングを始めるが…。愛と情熱の勝負物語。昭和31年度芸術祭奨励賞を受けたKRテレビの番組の映画化。日活初のイーストマンカラー。出演:石原裕次郎、三橋達也、南田洋子、北原三枝

The Eagle and the Hawk © 1957 Nikkatsu Corporation

鷲と鷹=15日(土)午後4時30分、16日(日)午後2時
 貨物船を舞台にした海洋アクション。深夜の波止場で、貨物船「海洋丸」の機関長が殺された。出航間際二人の新入り、千吉(石原裕次郎)と佐々木(三國連太郎)が乗り込んでくる。もう一人、鬼の鮫川船長の一人娘明子(浅丘ルリ子)も船長室に泊ることになる。過去を秘めた千吉と素性が知れぬ佐々木との激しい喧嘩と友情、井上監督により愛と復讐が雄大なスケールで描かれる。出演:石原裕次郎、三國連太郎、浅丘ルリ子、月丘夢路

The Stormy Man © 1957 Nikkatsu Corporation

嵐を呼ぶ男=15日(土)午後7時、16日(日)午後4時30分
 小説サロン所載の井上梅次の小説を井上監督自身と西島大が脚色した娯楽映画。北原三枝とのコンビでも有名な石原裕次郎の代表作品。音楽学校の生徒国分英次(青山恭二)は、銀座の流しギターで評判の暴れん坊だが優しい兄の正一(石原裕次郎)を売り出そうと思い、ジャズバンド「福島慎介とシックスジョーカーズ」の女支配人美弥子(北原三枝)に頼み込んだ。バンドの人気ドラマー、チャーリー桜田(笈田敏夫)が急遽仕事を休んだので、美弥子は留置所にいた正一の身元引受人となり、正一をステージに上がらせる。その後、チャーリーはほかの事務所に移籍してしまい、人気ドラマーを失った美弥子は正一を日本一のドラマーに育て上げようと決心する。流しの若者がトップドラマーにのし上がっていく業界の裏側を描く。石原裕次郎がスティックを片手に「おいらはドラマー」と歌い出すシーンはあまりにも有名。出演:石原裕次郎、青山恭二、小夜福子、北原三枝

◇  入場料は一般14ドル、シニア・学生は11ドル、JS会員は10ドル。チケットはJS窓口または電話212・715・1258から。ウェブサイトからも購入できる。詳細はウェブサイトwww.japansociety.org を参照。