ジャパンアートフェア、日本から102点

作家69人が参加

ソーホーのギャラリー・マックスNYで開催

 東京・銀座に拠点をおく国際アートサポート・ジャパンが6月20日(月)から25日(土)までソーホーのギャラリー・マックスNYで「クールジャパン・ムーブメント・イン・ニューヨーク2022」を開催した。日本美術界の現在をニューヨークに届けようと、現役の美大生からベテラン作家まで、幅広い年齢層とキャリアの総勢69人が102点を展示した。

 出展作家は国際アートサポート・ジャパンの共同代表で画家のシアカ章子とアキ・ユウショウ・ワタナベをはじめ、青山洋子、稻田峻、岡本直枝、相馬亮、竹内優文、井崎聖子、行近壯之助らが参加。絵画、日本画、写真、書など多彩で刺激に満ちた作品群を展観する。

 北海道出身の沙山有為さんは「蝦夷鹿」と「胸突き坂」の2点を出品。以前はキュービズムの抽象画を描いていたが、長崎の原爆展を見たことがきっかけとなり、自分の目で見たものしか描かなくなったという。「見た世界をそのままどれだけ表現できるか。どれだけ他の人の目と繋がるか」を追求する。

 沖縄在住の作家、下條ユイさんは作品「いつか花に食われる少女たち」を出品。「美しいものと美しいものが共食いして同時に共生していくという物語を構築していきたい。もしかしたら食われるのは花かもしれない。共に生きることがテーマ」と語る。

 主催した国際アートサポート・ジャパンの共同代表で画家のシアカ章子さんは「ニューヨークで展示をしたいという多くの作家の思いを今回形にした。ジャンルの異なる幅広い作品が集まり、来場者も楽しんでもらえたのではないか」と話す。会場で絵を鑑賞したブルガリア人のヴァセリーナ・ディキディジェバさんは「多くのオリジナル作品が並び、どれもが違ったスタイルで世界を描いており、タイトルも詩的でとても楽しめた」と話した。ギャラリーオーナーのMAX藤島さんは「102点の作品、参加者69人、クオリティーは一個一個すばらしい。今回はキュレーターが頑張ってくれて素晴らしい展覧会ができた」と話す。キュレーターは百田うちだ・かずこ。(三)