地球崩壊の真の敵 Godzilla: King of the Monsters

 ハリウッド版ゴジラの第3弾目。物語的には「Godzilla」(2014年)の続編に当たるが、ゴジラ誕生65周年に合わせてハリウッドもいよいよゴジラのライバル・モンスターらが入り乱れての怪獣バトル分野に進出、というところ。
 大暴れするのはゴジラのほかに中生代白亜紀の恐竜プテラノドンの突然変異体ラドン、開長100メートルの巨大な翼をもつ蛾の怪獣モスラそして最強のワル怪獣は3つの頭と強靭な翼を持つ竜のようなキングギドラ。
 監督はホラー・コメディ「トリック・オア・トリート」(07年)のマイケル・ドハティで脚本も前作「Godzilla」の脚本を担当したマックス・ボレンスタインと共同執筆。子供の頃からゴジラの大ファンなだけに製作への思い入れは相当なもの。
 出演はカイル・チャンドラー、ベラ・ファミーガ、渡辺謙、チャン・ツィイーら。
 かつて地球に君臨していた古生物(怪獣)は地の中で生きながらえており、人間が自ら環境汚染などで地球を破壊し始めている時期に破壊促進と破壊後を再生する役割を担って出現するという設定。つまり人間の愚行が怪獣を目覚めさせる、というわけだ。
 怪獣の調査を行っていた秘密機関「モナーク」では次々と怪獣出現の兆しをつかんでいた。中国のモナーク基地では科学者エマ・ラッセル(ファミーガ)が孵化したモスラを目の当たりに見ていた。エマは怪獣と交信する装置を開発しており、怪獣による地球崩壊の危険が迫った時に威力を発揮すると信じていた。そして予想通りラドン、キングギドラが現れ、地球は大混乱に陥る。
 人物描写が今一つだが怪獣のデザインや特撮を駆使したバトルシーンは迫力満点。ゴジラの表情が苦み走っているのもいい。
 ハリウッド版はローランド・エメリッヒ監督の一作目(98年)が大コケでギャレス・エドワーズ監督による2作目が好評だった。本作はその中間ぐらいだが、やはり怪獣ものは人気とあって興行的にはヒットする見込み。本作の続編「Godzilla VS. Kong」(アダム・ウィンガード監督)は来年3月公開予定。2時間12分。PG-13。 (明)

■上映館■
Regal E-Walk Stadium 13 & RPX
247 W. 42nd St.
AMC Empire 25
234 West 42nd St.
AMC Loews 34th Street 14
312 W. 34th St.