無限の鏡の間に新作 、草間の水玉世界

 日本人アーティスト、草間彌生氏の鮮やかな水玉模様の世界に没入する展覧会「I Spend Each Day Embracing Flowers(毎日花々を擁している)」が現在、チェルシーのギャラリー、デイビッド・ツヴィルナー(西19丁目)で開催されている。 

 同展は、西19丁目の519、525、533番地域を4セクションに分け、2セクションは彫像、1セクションは絵画、そして最終エリアは代表的な作品シリーズの一つ「インフィニティー・ミラールーム(無限の鏡の間)」の新作となっている。彫像セクションは、1部屋は黄色地に黒いドット柄のパンプキンが空に向かって伸びている彫像、もうひとつの部屋では、原色とパステル色で水玉と格子状パターンを施した巨大な花々が、生きているかのような緑や青い幹で絡み合っている。絵画のセクションは「Every Day I Pray for Love(毎日愛について祈っている)」と題し、近年取り組んでいる絵画36作品で草間氏の創作の現在地を紹介する。そして無限の鏡の間は、小さな黄色い扉をかがんで入ると、万華鏡のような鏡で覆われた空間が広がる。深い青、明るい黄色、止まれの赤、静寂の緑、これらの原色のドットが天窓から差し込む自然の光でさらに鮮やかに反射する。 

 草間氏の同ギャラリーでの個展は今回で10周年を迎えた。草間氏は同展に向けて「私は、心の底からの歌、草間のマインドを毎日、毎日歌ってきた。さあ現代の若者たち、ユニバースの心の底からの歌を一緒に歌いましょう!」と伝えている。7月21日まで。 入場無料。開廊時間は火曜〜土曜の午前10時から午後6時まで。日・月曜休廊。詳細はウェブサイトhttps://www.davidzwirner.com

(写真・高田由起子)