日系写真家、井高雄一のNY展

戦前戦後をアメリカで生きた男

 日系写真家、井高雄一の写真展「戦争の絆」がブルックリン・ダンボ地区のハイヤーピクチャーズ写真館で今月13日まで開催されている。井高は、1914年ワシントン州シアトルの日系移民の子として生まれた。幼少期を日本で過ごした後、1928年にシカゴに移住し、1930年代にシカゴ大学を卒業し、化学を専攻。42年から45年までシカゴのインスティテュート・オブ・デザインで学び、45年から47年まで同校で非常勤講師を務めながら、フリーランスの写真家として活動し、主に建築写真を専門に扱った。

井高の娘ナンシーさん

 彼の作品は、フロリダ・アーキテクチャー誌、アーキテクチュアル・ダイジェスト誌、ニューヨーク・タイムズ紙などの出版物で紹介されている。85年まで、シカゴで自身の写真業を営み、広告代理店、雑誌や新聞のアートエディター(シカゴ・トリビューンのフェミニン部門)、シカゴマガジン、建築ダイジェスト、インテリアデザイン誌などで活躍した。51年に近代美術館で開催された写真展に出品。78年、出版デザイナー協会功労賞を受賞。コダック・フィルムのコンサルタントも務めた。写真アーカイブは現在、バウハウス・シカゴ財団に所蔵されている。2012年1月22日ニューハンプシャー州リンジで97年の生涯を閉じている。娘のナンシー・イダカ・シェランさんは「 彼の抽象表現の写真を見たのは今回初めてでしたが、高い技術を持っていたことが分かります。1940年代の白黒フイルム写真から晩年はデジタルカメラも使う長い写真家としての人生でした。仕事場での姿は知りませんが、旅に行く時はいつもカメラを持っていました」と写真を見ていた。

Exhibition: War Bonds: Yuichi Idaka and László Moholy-Nagy, photographs from 1925 to 1946
Dates: March 15 – May13, 2023, Higher Picturess: 16 Main Street, Ground Floor, Brooklyn, NY 11201