視界360度の大型スクリーン劇場も
アメリカ自然史博物館(セントラルパークウエスト200番地)は5月4日、リチャード・ギルダー科学教育イノベーションセンターを開館。4月25日、報道陣に内部が公開された。
コロンバス街に面した同センターを手がけたのは、スタジオ・ギャング(本社シカゴ)。外観も内側も一つとして同じ形のない曲線美の建物について、代表のジェニー・ギャングさんは「自然の景観に近い形を意識した」と言い、「33か所の連絡通路から同館の歴史150年の間に作られた10棟の建物が有機的に連結され今までの袋小路の不便さが解消された。また、入口の大きな窓からは72丁目のハドソン川に落ちる夕日、マンハッタンヘンジが鑑賞できる」と説明した。天窓から光がふんだんに入るアトリウムを囲むように、昆虫や鉱石、地理学や考古学などの展示が並び、同館の膨大な蝶の標本を収蔵する部屋はガラス越しに一部の標本が見られる。図書室、ショップ、レストランは、入館料を払えば利用できる。一番の目玉とも言える360度の大型スクリーン劇場は、別料金で入場可能。微粒子になって脳の内部に行ったり虫になって葉の下に入り込んだりするような体験型の映像が楽しめる。
23万平方フィート地上5階地下1階の同センターは、2014年に計画が発表され、総工費約4億6500万ドルをかけて完成した。計画当初から関わった同館元館長のエレン・フッターさんは「特に科学分野の指導者や学生にとって、次世代の興味や学びに貢献する施設となる」と開館を喜んだ。
(小味かおる、写真上も)