編集後記 9月4日号

編集後記 9月4日号

【編集後記】
 みなさん、こんにちは。昨夜1日から2日未明にかけて米東部一帯にハリケーン「アイダ」の通過で猛烈な集中豪雨がニューヨークを襲いました。一夜明けた午後になってもまだ、マンハッタンへの通勤電車メトロノースは不通のままです。道路が冠水したり、地下鉄が洪水になったりデブラシオ市長が翌朝午前5時まで緊急事態宣言を出して不要不急の外出と移動を控えるよう呼びかけました。私は水曜日の昨日は普通ですと深夜0時にビルが閉まるギリギリまでオフィスにいるのですが、印刷後、新聞の設置中の終わり間際にかなり強く雨が降りだしていてずぶ濡れになって事務所に帰ってきたので、仕事を早めに切り上げ、悪い予感もしていたので、午後7時半過ぎのグランドセントラル駅発の電車でハリソンに戻りました。後で聞いたら、午後9時45分で電車が全面ストップになったそうです。20時間経った今もまだ電車は動いていないので、下手したら濡れた衣服のまま2日間オフィスに泊まり込む羽目になっていたかもしれません。こうして家でメルマガを書いていられるのはまだラッキーな方かもしれません。ともかく明日の朝には電車が動いていることを祈ります。さて、米国も日本も9月の学校の授業再開に伴う若者のコロナ感染拡大が大きな問題になっています。今週号の本紙では、12歳以上の子供にとにかく早くワクチンを打ってもらうために漫画本を贈呈したり、若者層を惹きつけるインセンティブとして100ドルを進呈するなど接種促進にあの手この手を尽くしている現状を報告しています(1面)。日本も大規模接種会場でようやく若者の接種を開始しましたが、日米で決定的に違うのは、米国は予約の有無を問わず打てるワクチンがちゃんとあるということ。片や日本は、電車の始発前の午前4時半から列に並んでも11時50分の受付開始にもかかわらず午前7時過ぎには1日分の接種回数200回の受付が終わってしまい、2000人近く並んで外れた若者が肩を落としてまた翌日、翌々日も早朝から並んでいる様子が日本のテレビニュースで流れてきます。日本の若者はかわいそうです。生まれた時から貧乏で、バブルも経済成長も知らずに、虐げられ、日本の社会構造の中で搾取されています。「重症化しないのので若者はもう少し待って」と言われている間に自宅療養という放置でバタバタと20代30代が自宅で亡くなっています。20代の国会議員もいないし、若者の声が政治に届いていない。というか、若者の方も声をあげていない。日本の若者は大人しくて、優しくて、思いやりがあって、静かで。だから日本の古い体質の日本社会から貧乏くじを引かされ続けているように見えます。「声をあげて文句を言わないと、それでいいと思われるんだよ」とは、アメリカに来てまもなく、アメリカ人の知り合いから言われたことを思い出します。受験競争はいいとしても、ワクチンを予約するのにまで競争させないで欲しい。予約が取れないのは高齢者も一緒だが、若者を後回しにしないで。それもこれもすべては日本政府のワクチン供給が足りていないから。いつも割りを食うのは若者だ。心優しき日本の若者たちよ、声をあげてはどうか。近く衆議院選挙もあります。こんなことを言い出すのは、私ももう若者ではなくなった証拠かな。それでは、みなさん、よい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)