■【編集後記】3月28日

みなさん、こんにちは。新型コロナウィルスの感染予防対策の一環として、レストランやカフェ、バーなどの飲食店は店内営業ができなくなり、テイクアウトとデリバリーだけしかできなくなりました。20日記者会見したクオモNY州知事は、これらのビジネスを助けるために「バーやレストランでフードをぜひ注文して欲しい」と市民に呼びかけています。店側もランチに限らず夜までテイクアウトやデリバリーでなんとか危機を乗り切ろうとしていますが、一方で、レントや従業員の給与が払えないために一時閉店を余儀なくされる店も相次いでいます。22日からは州全域に外出禁止令が出され、在宅勤務する人や、公立学校が休校となって自宅に子供がいるために手が回らない保護者が増え、レストランのテイクアウトやデリバリーがさらに「有難い存在」になっているのではないか。そんな思いで、本紙は今週号で、テイクアウトができるレストランと家庭とを結びつける特集を緊急で組みました。レストランに魚を卸している業者も生鮮魚を売ることができなくなって困っています。15年近い付き合いで魚を買っているので、それならうちで買って、2日間で日頃お世話になったお客様にフリーテイクアウトで持ち帰りの食事を作って差し上げよう。あとは、また開店できる時までのしばしの休みとしよう。ソーホーの和食レストラン、ひろ久(トンプソン通り73丁目)のオーナー、林寛久さんがそう思い立って、SNSで呼びかけたたところ、大勢の常連客が励ましに駆けつけました。なには寄付を置いていこうとするお客さんもいましたが、林さんは、テイクアウトとデリバリーをやっている友人同業者たちの店のリストを書いた紙を手渡して「このお金は、そこで使ってあげて」と伝えました。私も1人前をいただきました。家に持ち帰った刺身のお造りをそのまま皿に移して、ぶりのあら煮も皿に盛り直してみました。ニューヨークに生きる日本人の真心のこもったコロナに負けない人情の味がしました。それでは、みなさんよい週末を。(「週刊NY生活」発行人兼CEO三浦良一)