編集後記 2023年1月28日号

【編集後記】



 みなさん、こんにちは。最近、電話で話す機会がめっきりと減ったような気がします。事務的な用事は大体メールのほうが、いつでも都合の良い時にみて、返事を書けるし、記録にも残るので、言った言わないの間違いがないし、添付の資料や写真もダウンロードして保管できるから便利この上ないのですが、人間の声を聞いていないとか、会話してないとか、会社に出てきたけど1日、結局誰とも話さないで仕事のモニターとキーボードを使って外部と頻繁にやり取りしてそれなりに色々な人とコミュニケーションをとったつもりになっているけど、果たしてそうかなと。昔は、オフィスに大勢人がいて、ガヤガヤ雑談もしながら、他人の会話を聞き流しながら仕事していたのが、働き方がすっかり変わってしまったようで、元にはもう戻らないのかなと不安になります。会社の代表電話にかかってくる電話は8割が「SPAM RISK 」と表示されるので取りません。いつなんどきニュースが飛び込んでくるかもしれない、タレコミの電話がかかってくるかもしれない新聞社としてはあるまじき状況ですが、最近は発信元に日本語の名前が表示される電話かワイヤレスと表示される電話以外には出てません。詐欺まがいの電話ばかりです。警察を名乗ったり、弁護士を名乗ったり、IRSの関係団体を名乗ったり「ビジネスオーナーかマネージャーと話したい。このままでは大変なことになるよ」と大体同じ脅し口調で始まります。「あんたどこにかけてるの、ここ日本の新聞社だよ。電話番号ちょうだい、こっちからかけるから」と言うと大体プチンと切れます。大体、IRSや警察や役所や公共団体はむやみに電話はかけて来ない。役所は手紙以外は大体フェイクです。そんなこんなですっかり電話で話すという機会を失ってしまっているわけです。なので、取材をお願いする時や、気心の知れた取材対象にはこちらから電話をすることが逆に多いです。今や携帯は財布と同じくらい大切ですが、知り合いにはテキスト、ライン、メッセンジャー、FBで用は足りていて音声電話は、相手の息遣いや反応が直に伝わる対面に近いコミュニケーションなので、より「選別して大切に使うツール」として音声電話の価値が出てくるような気もします。対面とリモートの間くらいに存在する手段ですね。それでは皆さんよい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)