Mary Poppins Returns おかえりメリー・ポピンズ

 傘をさし、大きなカバンをさげて空からすーっと舞い降りてくる魔法を使うナニー、メリー・ポピンズ。オリジナル版から54年を経てのリブート風の続編だ。
ジュリー・アンドリュース主演、ロバート・スティーヴンソン監督のオリジナルは作品賞を初め13部門でアカデミー賞にノミネートされ主演女優賞(アンドリュース)、歌曲賞(チム・チム・チェリー)など5部門でオスカーを受賞した大ヒット作。単純比較はさておいて、本作も家族連れが十分楽しめる夢いっぱいの心弾むミュージカルであることは間違いなし。
 メリーには「Scicario」(ボーダーライン、2015年)などシリアス系の作品が多いエミリー・ブラント。「ムーランルージュ」のニコール・キッドマン、「ラ・ラ・ランド」のエマ・ストーン、最近では「アリー/スター誕生」のブラッドリー・クーパーら、歌手顔負けの俳優が数多くいるが、ブラントもその一人。ソロ・ナンバー「The Place Where Lost Things Go」を含む8曲をたっぷり聞かせてくれる。
歌や踊りでメリーの相棒役ともなるのがガス灯の点灯夫ジャック。ミュージカル「ハミルトン」(初演2015年)で作詞・作曲・脚本・主演を務めたリン・マニュエル・ミランダがパワー全開のパーフォーマンスを見せる。メリル・ストリープ、コリン・ファース、ディック・バン・ダイク、アンジェラ・ランズベリーら多彩な顔ぶれだ。監督は「シカゴ」(02年)のロブ・マーシャル。
 1935年、大恐慌時代のロンドン。前作でバンクス家の子供だったマイケルとジェーンは大人になり、マイケル(ベン・ウィショー)は3人の子供を持つ父親だ。去年、妻を亡くした上、住宅ローンの支払いが滞り、銀行からは差し押さえ通知が来ている悲惨な状況だ。妹ジェーン(エミリー・モーティマー)も協力してくれるがお先真っ暗。そんなある日、突如としてあの懐かしいメリー・ポピンズが現れる。それも昔と全く変わらないルックスで。
さっそく子供たちはメリーが作り出す魔法のお風呂で大はしゃぎ。メリーはど子供たちの世話をするかたわら、なんとかマイケルが難局を打開するようにと勇気づけるのだが。2時間10分。PG。 (明)

■上映館■
AMC Empire 25
234 West 42nd St.
AMC Loews 34th Street 14
312 W. 34th St.
Regal E-Walk Stadium 13 & RPX
247 W. 42nd St.