知って得する!日本での相続の話 1

「日本の相続税事情」

 TOМA税理士法人の大谷です。日本に親がいる方、日本に財産がある方、将来日本で終活したい方に向けて、『日本の相続税の最低限の知識』を持っていただきたく、3回にわたりコラムを書かせていただきます。

 日本は諸外国に比べ相続税が高いことをご存じですか? まず相続税の基礎控除(非課税額)ですが、米国の約12億円に対し、日本は4千万円前後(法定相続人の数で異なる)。つまり、被相続人が資産家でなくても、東京に自宅マンション一室を持っていれば、相続税が発生します。その確率は亡くなる方4人に1人。日本では相続税は他人事ではありません。

 また配偶者に対する優遇措置も低いです。米国では、市民の配偶者なら無制限で非課税ですが、日本では、配偶者は総財産の1/2までしか非課税枠がありません(相続人が配偶者と子供の場合。総財産の1/2の金額が1,6億円に満たない場合は、1.6億円まで非課税)。 

 そして、基礎控除、配偶者控除が低いだけでなく、税率も高いです。米国の最高税率は40%ですが、日本は55%です。

 過去、財産の国外移設、相続開始前の国外脱出などによる相続税課税逃れを防ぐため度々税制改正がなされ、その結果現在では簡単に逃れられない厳しい課税制度になっています。

大谷 亜紀/TOMA税理士法人 資産税部部長資産税専門税理士。国際相続も含め数多くの相続対策を支援。相談は soudan-s@toma.co.jp まで