新俳句グランプリ表彰式オンラインで動画配信

 北米伊藤園新俳句グランプリ表彰式は12月12日(土)午後6時(米国東部標準時間)から、オンライン形式で開催します。下記のリンクからどなたでも閲覧可能です。

 表彰式は約1時間、日英両言語で行われ、日本語部門、18歳未満部門、英語部門それぞれ金・銀・銅賞の受賞者表彰のほか、受賞者や審査員のスピーチがあります。さらに本年度は、同グランプリ10周年を記念して、表彰式につづき記念特別プログラムとして、審査員から、書画家・田中太山さんの書のパフォーマンス、ジャズピアニスト・作曲家の大江千里さんの音楽パフォーマンス、俳人の大高翔さんの俳句トークもお楽しみいただけます。ご質問・お問い合せは、Eメールhaikugrandprix@gmail.comまで。

 日本語部門の金賞は岡部加都恵さん(NJ州)、銀賞は島崎志津香さん(NJ州)、銅賞は中原あかりメアリーさん(CA州)に、18歳未満部門の金賞はフィラデルフィア日本語補習授業校小学4年の森直寛さん、銀賞はボストン日本語学校小学4年の濵地海瑠さん、銅賞はフィラデルフィア日本語補習授業校高校2年のラプレツィオーサ紗綾さんに、英語部門の金賞はガーリー・ガイさん、銀賞はジュリー・ワーザーさん、銅賞はリック・ジャコフスキーさんに、学校賞はボストン日本語学校に贈られます。

www.artofhaiku2020.com

クイックUSAアメリカの人事部(27)

人材採用もマーケティングと同じ

 2020年、新型コロナウイルスによるパンデミック以降ものすごいスピードで変化する社会と働き方。自社も含め周りのビジネスにおいての状況を見ていて感じることは、苦しい業界もあれば伸びている業界もあるということ。端的に言えば、よりデジタル領域に近いビジネルスタイルに素早く変化できたか/できるかどうかが大きな分岐点となるように思います。  

 商品を売るにしても、サービスを売るにしても、消費者となるお客さんとの最初の接点はインターネット上であることが当たり前の時代になりました。数年前からそうなってきてはいましたが、この新型コロナウイルスによるパンデミックの社会生活に与えた変化で、急激に加速したと言えます。  

 最近、「DX」という言葉を耳にしたという方も多いかもしれません。DX とはデジタルトランスフォーメーションの略語です。デジタルトランスフォーメーションの意味や定義は奥深いものがありますが、まず入り口の発想として浮かんでくるのは、業務のデジタル化やITシステム化というところだと思います。名刺の代わりに自社のホームページ、営業訪問の代わりにオンライン商談、イベントやセミナーもウェビナーなどに変化していかざるをえない状況です。  

 その他にも社内の情報管理や顧客情報、売り上げ管理、マーケティングなどもデジタル化が必須となってきます。「パソコンは苦手なんだよね」とか「うちにはそんな人材はいないよ」などとは言ってられない状況に強制的にさせられた感もありますね。そうした流れで、「ITに強い人材が欲しい!」という企業さんも増えているように思います。 そこで本題になる「人材採用もマーケティングと同じ」というお話。  

情報も人材もより流動的に

 主戦場がオンラインになるのであれば、所属より繋がりが大切になります。スマホさえあれば世界中の人と繋がれる世界は、家族も学校や会社も国境までも悠々と超えていきます。情報が透明化され、「外国で自分と同じ様な仕事をしている人がどれくらいの報酬を得ているのか?」なんてことも調べればわかるようになりました。  

 情報化社会で変化のスピードが増しビジネス形態や消費者の流行りすたりが数年で変わっていく社会では、今までのように一つの会社で働き続けるケースは減ってくるでしょう。転職が増えること、プロジェクトベースで仕事を請け負うフリーランスも必然的に増えると予想されます。その会社に所属し続けることよりも、自分に適した業界内の繋がりやコミュニティーの方が重要になるからです。  

 リモートワークが当たり前になれば移動する必要がなくなるので、働く会社の場所も住む場所も選択肢が増えます。報酬や待遇という選択基準はもちろん残りますが、それよりもそれが魅力的な仕事か?やりたいと思えるものか?が最も重要視されるようになり、技術や才能を持った優秀な人材ほどより自由に流動的になっていくでしょう。  

 さて、冒頭で「商品を売るにしても、サービスを売るにしても、消費者となるお客さんとの最初の接点はインターネット上であることが当たり前の時代になりました」と書きましたが、これは人材採用においても同じですよね?採用企業と求職者との最初の接点はインターネット上であることが当たり前になりました。であれば、優秀な人材を採用したいと考える企業がデジタルマーケティングを強化することは自然な流れだと言えると思いませんか?

(板倉光孝   Zero-Hachi Rock  CEO)

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クイックUSAアメリカの人事部(26)

クリエイティブな仕事は報酬だけでは成果上らず

■御社の労働分配率は?

 このような環境の中、改めて人件費を管理するにあたり、粗利に占める人件費の割合いをチェックしてみることも大切だろう。御社の労働分配率(労働分配率=人件費÷粗利)はコロナ前とコロナ後で変化があるだろうか?

 コロナ前の労働分配率を維持した上で、2021年の昇給やボーナスの計画を立てる際、「コロナ後に売上が下がる中、どの程度の人件費を見込むか」という計画には労働分配率を再度チェックすることが考えられる。    

報酬と動機付けについて(新しいインセンティブの仕組みは登場するか?)

 最後に、報酬と成果の関係を考えるにあたり、約10年前のダニエル・ピンクのTedでの講演動画をご紹介しよう。

 動画でも語られているように、回答が決まっているような仕事はインセンティブによって仕事の成果も上がるが、クリエイティブな仕事はインセンティブを与えることではなかなか成果が上がらない。逆に成果が下がることが分かったという。  

 クリエイティブな仕事に必要なのは、自主性・成長・目的と言った「個人が仕事に見いだす意味」が重要なのだ。動画で事例が紹介されているようにWikipediaやLinux等、無報酬ながら参加するメンバーによる貢献によって成り立った素晴らしい仕事がある。「馬にニンジンをぶらさげる」方式のインセンティブではこのようなクリエイティブな仕事は成り立たなかったというのだ。  

 このダニエル・ピンクのTedを思い出させたのは3年前にTedで話されたAdam GrantのGive & Takeだった。

 与える人ほど成功するというこのコンセプトについて、組織のインセンティブの仕組みをどのように考えたら良いだろうか?  

 ダニエル・ピンクのTedから10年。この時に既にビジネス界のインセンティブは発見された事実と乖離していると言われている。  

 2021年、ビジネス界はようやく新しいインセンティブの仕組みをもっと積極的に導入することになるだろうか?    

 今回も御覧いただき誠にありがとうございます。引き続き皆様の安全と健康、そして、可能な限りのビジネスの再興をお祈りしております。

(山口 憲和 Philosophy LLC 代表)

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クイックUSAアメリカの人事部(25)

2021年は2.6%昇給すべきか?

報酬調査について

 報酬の決定は社内公平性と社外競争力の2つの視点から考えるとよく言われる。通常であれば、社外競争力については、消費者物価指数の動向や報酬調査による昇給予想率等を参考に自社の標準的な昇給を決めるというプロセスになるはずだ。

 しかし、2021年はCOVID-19の影響もあり、報酬決定の舵取りが難しいと言わざるを得ない。これは米国の各企業でも同じだろう。

 2020年4月~5月に行われたWorld at Workの調査では2021年の平均予想昇給率は2.9%という数字が出ていた。

▼下記の動画も参照

 10月7日に出された大手人事コンサルティング会社Willis Towers Watsonのレポートによると2021年の昇給率の平均は2.6%という数字が発表されている。

▼出所

https://www.willistowerswatson.com/en-US/News/2020/10/one-in-three-us-employers-trim-projected-pay-raises-for-2021-willis-towers-watson-survey-finds

 Executiveの昇給率は2.5%で、一般のスタッフより0.1%だけ昇給率が少ない。

 このレポートは9月に行われた調査で現れた結果だが、春先に行われた調査に比較して35%の企業が昇給率を減少させているとのことだ。多くの企業が先行きの不透明感ゆえに昇給率を決定するにあたり、迷いを見せているのが分かる。

 同じ調査において66%の企業は2021年もボーナスの支給を予定していると発表している。    

報酬制度の設計について

 一方で米国人材マネジメント協会のニュースでは報酬設計自体はCOVID-19の中でも据え置きをしている企業が多いというニュースも出ている。

▼出所

https://www.shrm.org/resourcesandtools/hr-topics/compensation/pages/companies-consider-pay-programs-as-economy-stalls.aspx

 そのため、報酬設計自体は下記のように固定給の一定のパーセンテージを設定して、変動報酬を支給することが考えられるが、先行きが不透明な時代にはできる限り固定費(固定賃金での昇給)の拡大を抑え、人件費の変動費化を図ることが考えられる。つまり会社と個人の業績・成果によって、報酬を変動させることができるように設計するということだ。  

▼出所

https://www.shrm.org/hr-today/news/hr-news/conference-today/Pages/2017/Evolving-Company-Culture-from-Base-Pay-to-Comprehensive-Variable-Rewards.aspx#variable-pay

(続く)

(山口憲和 Philosophy LLC 代表)

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【今週の紙面の主なニュース】(2020年12月5日号)

(1)地下鉄突き落とし暴行事件
(2)公立幼小学校を7日再開
(3)NY日系人会で美術展
(4)眞子さまと小室さん結婚の行方
(5)不正訴え続けるトランプ大統領
(6)誰が埋めた謎の金属柱?
(7)ハドソンストリートのあたり
(8)老舗の味をB級グルメで
(9)米国で夢実現した空中の舞姫
(10)求められる帰国生像

地下鉄突き落とし

NYで暴行事件相次ぐ

 ブルックリンのアトランティックアベニュー・バークレイセンター駅で11月22日、乗客がプラットホームから突き落とされる事件が起きた。事件は午前11時30分ごろ、地下鉄4番線車両内の座席で寝ていた男が突然起き上がり、近くにいたカップルに向けて大声で叫び出した。さらに男は同駅で降車したふたりの後をつけ、カップルの男性をプラットホームから突き落とした。転落した男性は軽傷を負ったが自力でホームに戻ったという。ニューヨーク市警察は監視カメラの映像を公開し、男の情報提供を呼びかけている。

 NYの地下鉄では暴行事件が相次いで起きている。11月17日にはブロードウェーのミュージカル俳優アレックス・ワイズマンさんが、アッパーウエストサイドの103丁目駅構内で男に顔面を殴られた。ワイズマンさんは網膜裂傷と眼窩を2か所骨折する重傷を負ったが、手術を受けて現在は回復に向かっているという。また翌日18日夕方、ブライアントパーク駅でも36歳の郵便局職員が突き落とされて軽傷を負った。さらに19日午前には、14丁目ユニオンスクエア駅で、車両がプラットフォームに滑り込む直前に男が女性を突き飛ばす事件があった。女性は線路と路床の間に落ちたため奇跡的に助かり、軽傷で済んだという。この事件では、その場で拘束されたアディチャ・ヴェムラパティ容疑者(24)が殺人未遂で起訴された。

 相次ぐ地下鉄構内での事件を受け、自警団のガーディアン・エンジェルスは11月22日、駅の見回りを開始すると発表した。創設者のカーティス・スリワ氏は「このような情緒障害人物による問題は見たことがない。彼らに必要なメンタルヘルスケアを提供することができるのかを確認したい」と話している。デブラシオNY市長は会見で、「非常に懸念している。利用者の安全性を高めるために警察官による警備を強化し、メンタルヘルスケアへの取り組みを拡大する」と述べた。

公立幼小を再開

NY市で7日から

 ニューヨーク市のデブラシオ市長は29日、新型コロナウイルス 感染拡大で再閉鎖していた幼稚園と公立小学校を12月7日から再開すると発表した。公立学校に通う約110万人のうち3分の1ほどにあたる約34万人が対面授業を受ける。自立支援学校は12月10日から開始、中学・高校については今後検討する。

 市は、コロナの感染拡大で3月中旬から公立学校を閉鎖しリモート授業のみにした。9月下旬にウイルス検査の陽性率が7日間平均で1%ほどになったことから、対面授業を週2日ほど行うことにした。陽性率が3%を超えた場合は対面授業をやめるという基準を設けていたが、11月18日にこの基準を超えたため、19日より公立校をすべて閉鎖しリモート授業のみに切り替えた。しかし、学校のみでの検査陽性率は0・28%ほどと低く、学校は予想よりもはるかに安全のようだと専門家や保健当局、さらに教員組合が強調していた。また保護者のなかからは「リモートだと子供を預けなくてはならない」「なぜレストランは開いて学校は閉鎖するのか」などと早期再開を強く求める声があり、11月19日には市庁舎前で抗議集会が開かれるほどになっていた。12月7日からの対面授業は保護者の同意があった児童生徒のみで行う。

NYで活躍する日本人・日系人 美術家展JAAで10日から

 ニユーヨーク日系人会(JAA)主催の「ニューヨークで活躍する日本人・日系人美術家展出展作家によるチャリティー美術展」が、12月10日(木)から19日(土)までJAAギャラリー(西45丁目49番地11階)とオンラインにて開催される。後援・週刊NY生活、よみタイム。例年5月の開催だったが今年はパンデミックのため延期となっていた。

 参加アーティストは廣瀬ジョージ、廣瀬公美、百田和子、市村しげの、飯塚国雄、作山畯治、永野みき、野田正明、岡田桂、佐々木健二郎、佐藤正明、篠原乃り子、篠原有司男、竹田あけみ、渡辺啓子、三浦良一、依田洋一郎。

 主催するJAAでは、展覧会開催期間中に各アーティストの展示作品を販売する。販売価格の半額がJAAに活動資金として寄付される。購入者は展覧会終了後に予約した作品を事務局から受け取る。JAAにとっては収益率の高い催しのため、密にならないよう入場制限のある会場展示とオンラインでのWEBギャラリー展示のハイブリッド展として「こんな時だからこそ生の原画に触れる機会を楽しんでほしい」と鑑賞を呼びかけている。

 オープニング・レセプションは10日(木)午後4時から5時まで、要予約。予約は電話212・840・6942、またはEメールinfo@jaany.org まで。

 入場無料。開廊時間は月〜金曜が午前10時から午後5時、土曜が午前11時から午後3時まで。日曜休。開幕後、展示作品はJAAのウェブサイトwww.jaany.org で展示リンクが公開され、期間中に鑑賞できる。

(写真)Central Park OPAS#2  2019  by Ryoichi Miura

「不正を訴え続ける」

トランプ大統領再度表明

 トランプ陣営や共和党組織などが激戦州を中心に不正があったと訴訟を起こしているが、すでにほとんどが棄却されている。ペンシルベニア州最高裁は11月28日、米大統領選をめぐり郵便投票は無効だとの同州選出のマイク・ケリー下院議員らの訴えを退けたについて「不正の証拠が提示されていない」として州最高裁の判事7人全員一致で棄却した。

 ウィスコンシン州では29日、トランプ陣営の求めで再集計が行われた人口の多いミルウォーキー郡とデーン郡の再集計が完了、バイデン氏が87票上積みした。これでトランプ氏に2万票以上の差をつけたバイデン前副大統領の勝利が確定した。

 トランプ大統領は29日、フォックスニュースの番組で電話で出演し、先の米大統領選挙で不正があったと訴えている訴訟について「最高裁にまで持ち込むのは難しいようだ」との見方を示す一方、「選挙で大規模な不正があった。それを証明しようと思う。6か月たっても変わらないだろう」と今後も不正を訴えていく考えであることを表明した。

 トランプ大統領は11月26日に行われた記者会見で、12月14日に行われる選挙人による投票でバイデン氏が正式に次期大統領に決まればホワイトハウスを去るかとの記者の質問に、「もちろんそうする」と答えた。しかし翌27日には、バイデン氏が大統領になるのは「8000万の票は不正・不法に獲得されたわけではないことを証明できた時だけだ」とツイッターに投稿している。

 大統領選の負けを認めないトランプ大統領だが、ニューヨーク・タイムズやウォール・ストリート・ジャーナルなどのメディアは、トランプ氏の周辺から漏れてきた話などからトランプ氏はすでに2024年大統領選への出馬を模索しているようだとの記事を出している。またフォックスニュースに代わるテレビニュース局の立ち上げを検討していることも報じられている。

 11月3日に行われた大統領選挙での獲得選挙人数はトランプ大統領が232人、バイデン氏が306人で、バイデン氏勝利の結果に11月30日時点で変更は出ていない。

 ニューヨークタイムズ紙は「2020年の選挙は、単に詐欺や、大統領が今騒ぎ立てているような不正行為がなかったというだけではなく、(選挙)管理の観点から大成功だった」と11月22日付の社説・論説欄で述べている。特にソーシャルメディア企業が偽情報(Disinformation)を厳しく取り締まったことなどが奏功したと報じた。

眞子さまと小室さん、おとぎ話の結婚

NYタイムズ紙英王室と比較報道

 日本の皇室の文仁親王(秋篠宮さま)が、長女眞子さま(29)の大学時代のボーイフレンドとの結婚を「認める」と述べたニュースは、1日付ニューヨークタイムズも「日本のプリンセス、おとぎ話の結婚はまだ先」と写真入りで大きく報じた=写真=。 

 それによると眞子さまは当初、皇族の一員ではない小室圭さん(29)と2017年に婚約を発表、翌年結婚する予定だったが、小室さんをめぐって、小室さんの母親が元婚約者の男性から3万6000ドルを借りていて返済を求められている金銭問題が持ち上がった。皇室側は、結婚が延びていることとは無関係だとしてきたが、秋篠宮さまはあらためて、まず金銭問題への対応が必要だと述べられていると報じた。

 秋篠宮さまは、「多くの人が納得し喜んでくれる状況の前提として、今までもあった問題をクリアするために相応の対応をする必要があると申しました」と述べた。また、「あくまで私の主観になりますけれども、感じとしては決して多くの人が納得し喜んでくれている状況ではないというふうに思っています」とも話した。

 眞子さまと小室さんがいつ結婚式を開くかは不明。秋篠宮さまと紀子さまの娘である眞子さまは、小室さんとの結婚によって皇籍を失うことになり、同紙は英国のハリー王子とメーガンさんの結婚を引き合いに出して、ロイヤルファミリーの一員ではなくなったことを紹介、皇室と一般人との結婚を比較した。

 国内メディアによると、眞子さまは先月、予定通りに結婚することへの強い決意を表明し、父親の秋篠宮さまも、結婚を支持した格好だ。「本人たちが本当にそういう気持ちであれば、親としてはそれを尊重するべきものだというふうに考えています」と述べたと伝えた。小室さんはニューヨーク市のフォーダム大学に留学中であることも記載している。

誰が埋めた? ナゾの金属柱

州政府が発表5日後に何者かが撤去

ユタの砂漠で発見

 ユタ州政府は11月23日、同州南東部の人里離れたレッドロック郡の砂漠峡谷地帯の岩盤に、誰が設置したのか不明の高さ3・6メートルの金属製正三角柱が埋まっていると発表した。州政府が公開した写真を25日付ニューヨーク・タイムズ紙などが大きく写真入りで報道し、3大ネットワークもテレビのニュースで報じたことから「謎のメタル柱」が大きな話題となった。しかし27日には忽然とその柱が姿を消し、州政府は「複数の人が撤去したことを確認した」とだけ発表、誰がどのように撤収したのかは不明なため、今もダブルミステリーとなっている。

 ニューヨーク・タイムズ紙によると、同州自然動物管理局の職員が、野生の羊の生態系を観察するためにヘリコプターで砂漠一帯を調査している時に、峡谷の窪地の岩盤にキラリと光る金属物質を発見、接近して鉄柱のような物体が岩に垂直に突き刺さっているのを確認した。

 ヘリコプターが近くの丘に着陸して職員3人が徒歩で峡谷まで降りていく様子がビデオ撮影された。職員は金属中が刺さった周りを観察して、肩ぐるまをして鉄柱の上部付近を調査したが手がかりになるものは得られなかったという。また、硬い岩に鉄柱を埋め込んだような工事の痕跡は残っていなかった。岩の切目に綺麗に突き刺さっており、深さがどこまであるのはか分からないという。

 現場は非公開で、自動車やクレーンなどの工事用重機が入り込めるような場所ではなく、道路からも徒歩で人間が簡単に到達できるような地区にはないことから州政府は「一体誰がなんの目的でこの物体を設置したのかは不明」と発表した。

 ニュースはまたたくまに世界に広まり「宇宙人の仕業?」「映画の撮影に使ったのでは」「前衛芸術家のインスタレーション?」中には「ワイファイ・ルーターでは」など様々な憶測が飛びかった。

 同地では「インディアナ・ジョーンズ」や「スタートレック」「ミッション・インポッシブル」などの映画の野外撮影が行われているため、同紙はユタ州映画協会にコメントを求めたところ「発見された物体は、映画の撮影に使われた関係物ではないと判断する」との回答を得た。

 芸術専門紙「アート・ニュースペーパー」は「2011年にニューメキシコで亡くなったミネアポリスの彫刻家、ジョン・マックラキンの作風に近い」と述べている。州政府も「誰かの芸術表現かもしれないが、州政府の土地に無断で建造物を建てることは違法だ。黙認しないために公開した」としている。金属物質は、ステンレスの板を人工のリベットで止めるなど加工した跡が見られたという。写真からもそれが視認できる。

似た作品NYの画廊に

 その砂漠で発見された謎の3角柱に酷似していると指摘されたマックラキンの作品が彼が所属したマンハッタンのチェルシーにあるデビッド・ツイナーギャラリー(西20丁目537番地)にあるという情報を得た。早速行ってみた。作品はプライベートコレクションとしてロビーに一般展示とは別に階段の横にひっそりと設置されていた。鏡面で磨かれた状態で州政府が発表したようなリベットのようなものは確認できなかった。ギャラリーのオーナー、デビッド・ツイナー氏は「(ユタの物体は)これは明らかにジョンの作品だと思う」と当初NYタイムスにコメントしていたが、後日関係を否定した。

 州政府では劣化の状態から1940年代から50年代に設置されたものと見ているが真相は謎だ。一部ツイッター情報では、27日深夜の解体作業を目撃したハイカーがいて、4人の男性が6時間かけて解体し「砂漠にゴミを捨ててはいけない」と言って手押しトロッコを使って撤去して行ったというが、そのグループが何者かは依然不明だ。

(写真右)マックラキンの作品(1日、NYの画廊で三浦良一撮影)

老舗の味をB級グルメで

EAT OUT 食

 マンハッタンの老舗日本食レストラン「しんばし」が惜しまれて閉店したのが昨年夏。ミッドタウンから離れて、アッパーウエストサイドの目抜き通りブロードウエーから徒歩30秒の72丁目に、元オーナーの片山阿紀子社長と夫の貴之さんが大衆的な日本のメニューを中心に「しんばし72」をオープンした。

 豚の生姜焼き(15ドル)、カレーライス(12ドル)、鰻丼(22ドル)、天丼(13ドル)、うどん、そば(8ドル)など手頃な値段の丼物のほかにも焼き鳥(7ドル)や冷奴(6ドル)、揚げだし豆腐(7ドル)といったしんばし時代からの味を彷彿させる一品料理も提供する。この界隈に日本食レストランが多くないことから出店を決め、日本のスナック菓子や調味料、ペットボトルの飲料水、カップラーメン、米も店内で販売している。いずれは日本酒やしゃぶしゃぶ用の薄切り肉なども扱う予定だという。

 店内はカウンター席を入れて20席あるが、新型コロナウイルスの感染拡大予防のガイドラインに従って当面はテイクアウト専門で営業するという。デリバリーサイトを使った注文も受けている。

 初代女将の細田婦美子さんが他界して6年。店を継いだ長女の阿紀子さんもいずれは自分の娘、恵美子さんにこの店をバトンタッチするという。時代は変わっても、親子三代でニューヨークにしんばしの暖簾は続く。老舗の味をB級グルメで楽しめる、近隣住民に親しまれ、愛されそうなお店の誕生だ。           (三浦)


しんばし72

218 West 72nd St.

New York, NY 10023

Tel: 212-510-7799

営業時間 11:00~21:00

月曜定休