路上と地下鉄危険度増す

NYでアジア系狙う憎悪犯罪が横行

ホームレス5人銃撃し2人死亡

 マンハッタンのソーホーで12日夜、立て続けにホームレスが銃撃された。最初の事件は午前5時ごろ、アメリカ街のバーリックとキング通りの間で起きた。その約1時間後に今度はラフィエット通り148番地で寝袋の中で頭と首を銃で撃たれた男性が発見されたが、すでに死亡していた。連邦火器取締捜査局は14日ワシントンDC郊外でジェラルド・ブルバード容疑者を逮捕した。同容疑者はワシントンDCでも今月3日から9日までにホームレス2人を銃撃し、1人が死亡している。警察の発表によると同容疑者はこれまでに何度も襲撃事件で逮捕歴があり精神疾患から医療施設で治療を受けていた。

14丁目の地下鉄駅でハンマーで頭部殴る

 またマンハッタンの14丁目地下鉄駅構内で8日午後9時頃、29歳のアジア人男性がハンマーで頭部を殴られ負傷した。被害者の男性は病院で手当を受け、命に別状はないという。男性の友人が撮影した動画には男が「ここを歩いているのが見えないのか?目を開けろ」などと怒鳴りながら暴行を加える様子が映っている。被害者は容疑者と争いは無かったと述べているという。警察はヘイトクライムと見て捜査している。犯人は捕まっていない。

地下鉄車内剃刀男逮捕
アジア男性顔切りつけ

 ニューヨーク市警は6日マンハッタンの地下鉄J線でアジア系男性の乗客の顔をカミソリで切りつけたとしてブロンクス出身のブレンダン・ダウリング容疑者(40歳)を第2級傷害容疑で逮捕した。

 同容疑者は2021年10月から5回の逮捕歴がある。

アジア女性125回殴打

 11日午後6時過ぎにはヨンカーズの自宅アパートビルで「アジア系の女は嫌いだ」と因縁をつけた男性を無視したアジア系女性(67)がビルのエレベーター前のホールで125回ほど殴打される事件があった。ウエストチェスター郡警は14日、タメル・エスコ容疑者(42)を殺人未遂と暴行容疑で逮捕した。同容疑者はこれまでに14回の逮捕歴がある。今月に入りNY市では2時間の間にアジア系女性7人が襲われる事件や、昨年11月以降4人のアジア系女性がヘイトクライムの犠牲になって死亡している。今年の犯罪は対前年比で47%増加、公共交通機関での犯罪は72%増加。精神障害と逮捕歴のある者の再犯例が極めて目立つ。