一方的な話だけが国際舞台でまかり通る不条理
慰安婦の強制連行

今年8月15日で、太平洋戦争が日本の降伏によって終結してから73年になる。
当時16歳だった女学生の私が88歳の米寿を迎えた。昭和12年7月7日に中国の北京郊外の盧溝橋で日中戦争(当時は支那事変とよばれた)が始まったとき、私は小学校2年生であった。それから小学校6年生の時に太平洋戦争がはじまり、日本の敗戦によって終結するまで、9歳から17歳の8年間、東京大空襲、学徒勤労動員、食料や衣類の配給制、食料買い出し等々、戦争体験をたっぷりと味あわされた。
そして現在、国連のような国際的な舞台で、日本軍の暴虐事件だけが一方的に取り上げられ、慰安婦問題がねつ造して語られているのを見聞すると、如何に歴史が自分たちに都合の良いように作り変えられているかを痛感している。
国連のような国際舞台では、沈黙は金ではなくて、雄弁が金であることはあきらかである。私は決して日本の軍部がアジア各地で戦争を起こしたことを正当化するものではない。しかし、まだ歴史の生き証人が残っているというのに、自分たちに都合のよいように事実を曲げて語り、日本をいたずらに誹謗している人々がいるのを、本当に残念に思っている。
そのよい例は、「南京虐殺事件」と「朝鮮慰安婦問題」であると思う。ここでは慰安婦問題だけを取り上げることにする。
1965年6月22日に東京において、佐藤栄作総理と朴正熙大統領によって署名された「日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約」で、日本の莫大な経済協力と韓国の日本に対する一切の請求権の完全且最終的解決、それに基づく関係正常化などが取り決められた。
韓国が交渉中に主張した対日債権に対して、日本政府は「韓国側からの徴用者名簿等の資料提出を条件に個別償還を行う」ことを提言したが、韓国政府は「個人への補償は韓国政府が行うので、韓国政府に一括して払ってほしい」と、現金合計21憶ドルを要求した。 そして、交渉を重ねた結果、日本は「独立祝賀金」と「発展途上国支援」として、無償3憶ドル、有償2億ドル、民間借款3憶ドルの供与と融資を行った。統合時代に朝鮮半島に日本政府がもっていた53億ドルの資産は、当時朝鮮半島を占領していたアメリカとソ連によって、すでに差し押さえられていた。日本政府は、朝鮮半島にもっていた全ての資産を放棄した。そして、日本政府は、現在韓国が主張している慰安婦に対する補償金も、当然韓国政府が日本からの支援金の中から支払ったと解釈していたのである。
私が最も不思議に思うのは、戦後60年も経ってから、なぜ元慰安婦と称するお婆さんたちが、「強制連行され、日本軍の性奴隷とされたのに、何の補償ももらっていない」と言い出したのかということである。しかも、国連の「人権問題委員会」で時系列に合わない証言を行っているのである。 そういうことを言わせる韓国政府に道義的責任があると思うが、彼女たちの証言を実証もなしに受け取って、日本政府を一方的に糾弾している国連の「人権問題委員会」の公正さにも、大いに疑問を持つものである。
さらに最も遺憾なのは、韓国挺身隊問題対策協議会である。この団体は「北朝鮮工作機関」と連携し、北朝鮮の利益を代表する「親睦団体」と監視されているとのことである。この団体の常任代表は尹美香氏で、日本キリスト教団から提供されている「平和聖日献金」などを資金源に、慰安婦に対する日本国政府の真の謝罪と誠意ある応対を求めており、在韓日本大使館前で、定期的デモ活動や、各地への慰安婦像設置運動などを行っている。また、ソウル特別市で、常設博物館の[女性の人権博物館]を運営している。大韓民国国家情報院は、この団体を「北朝鮮工作機関」と提携し、親北団体であると監視しているとのことである。
私のような歴史の生き証人もまだ残っている。そして日本政府は、元慰安婦と称するお婆さんたちに、賠償金として10億円を2回も送り、村山総理と河野官房長官は謝罪文も送っている。それでも、日本は謝罪も賠償もしていないと、国連人権問題委員会で、元慰安婦と称するお婆さんたちが証言している。
挺対協の代表である尹美香氏に言いたい。「歴史の生き証人はまだいくらか残っているのである。70年前までの日韓両国で、女性の社会的地位が低かったことや、公娼制度が認められていたことなど、歴史的事実を全く無視して世界各地で日本を誹謗して言いまわるのは、あなた方の歴史的無知をさらけ出していることである。私は、貴方たちにこそ『恥をしれ!』と言いたい」

ワイルス 蓉子
「ポトマック通信」
編集・発行者