「慰安婦問題」は国際的な場所で、
日本を卑しめる最も有効な手段。

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 年始早々、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、慰安婦問題の日韓合意は「未解決」で「間違いだった」という声明を出した。国家間で「最終的、且不可逆的な解決」と確認した合意を、たった2年でなかったことにしようと言っているのである。過去の経歴を見てみると、日本が謝罪すれば「誠意がない」と言い、再度謝罪したら「被害者の同意がなかった」と難癖をつけ、被害者と申し出た女性たちにお金を払うと「アジア女性基金からで日本政府のお金じゃないから受け取るな」と言い、日本政府が10億円出すと「金で済ませようとしている」と批判をする。韓国の北朝鮮の息がかかった団体が、問題を解決されたら食い扶持がなくなるから、元慰安婦に「金をうけとるな!」と脅しているという事実もあるとの事である。しかし、私はそこまで韓国が卑劣だとは思いたくない。 
 1993年、河野官房長官は元慰安婦に「お詫びと反省」を表した官房長官談話に基づいて、1995年に村山総理(社会党)が「アジア女性基金」を発足した。政府は道義的責任を認め、総理のお詫びの手紙とともに、国民の寄付から償い金200万円、さらに国費から医療・福祉支援として120万〜300万円を支給する事業を韓国、台湾などで実施した。 
 しかし、韓国では慰安婦支援団体が、日本政府が謝罪と補償をすべきだと反発し、慰安婦と名乗りでた女性約240人のうち、基金からの償い金を受け取ったのは約60人にとどまった。 日本政府は慰安婦や徴用工等民間人に対する補償の問題は、1965年の日韓基本条約を締結した際に朴正熙大統領が個人に対する補償は韓国政府で行うとのことで、賠償金をまとめて韓国政府に払ったので、これらの問題は法的に解決済みと了解している。しかし、韓国政府は大統領が代わると、何かと理由をつけて、この問題を持ち出すのである。
 「女性のためのアジア平和国民基金」(正式名)は第二次世界大戦中に従軍慰安婦として動員された女性に対する補償、および女性の名誉と尊厳に関わる今日的な問題の解決を目的として、平成7年(1995年)に当時の政府の決定により設立された財団法人である。総理は社会党から選出された村山富市氏であった。(ちなみに、社会党と共産党は現在でも、慰安婦は強制連行だったと信じている。)オランダ、フィリピン、韓国、インドネシア、台湾で償い金の支給や医療・福祉支援事業を実施、平成19年(2007年)に基金事業の終了に伴い解散した。 
 私は第2次世界大戦中に10代の少女で東京に住み、1945年3月から始まったアメリカ軍のB-29爆撃機による連夜の無差別空襲を経験した。ことに1945年3月10日の下町大空襲では、約10万人の市民が焼夷弾攻撃によって殺された。劫火を逃れて墨田川に飛び込んだ市民の上にも焼夷弾が落とされて隅田川の水は煮えたぎり、川は焼死体で埋まった。こう書くと「それは戦争を始めた日本が悪いのです。自業自得です」と言われる。確かに戦争を始めた日本が間違っていたから、日本国民はどんな困難な目にあっても自業自得と耐えてきた。しかし、「慰安婦」と称するお婆さんたちは違う。彼女たちは首に縄を付けて引っ張って行かれたのではない。当時公認だった「娼館」に女性を世話するのを職業としている「女衒」に、親も承諾のうえで連れていかれたのである。勿論彼女たちの親には、当時の貧困層の人々にとって容易に手にすることのできない金額が支払われたのである。戦後ことにここ20〜30年の間に、親に連れられてアメリカに移住してきた韓国の子供たちがアメリカで教育を受け、中にはアメリカの大学を卒業して社会的に活躍している韓国人も多い。現にサンフランシスコの市会議員の3人の女性は、韓国系でアメリカで教育を受けている。彼女たちは73年前までの日韓の女性、ことに貧困層に生まれた女性の哀しい運命については露ほどの知識もないらしい。そして、これらの韓国系女性市会議員は「慰安婦銅像」建立運動の先頭に立っている。また、韓国政府は、元慰安婦のおばあさん達を銅像の除幕式に招いたり、国連の人権問題委員会の公聴会に出席させて時系列に全く合わない証言をさせたりしている。しかし、これらの「慰安婦」を使って、日本を卑しめようとすることを阻止することは難しい。なぜならば「慰安婦」は国際的な場所で、日本を卑しめる最も有効な手段だからである。

ワイルス 蓉子 
「ポトマック通信」Potomac Newsletter 
編集・発行者

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