ロブスターロール食べ歩き

 ニューイングランド地方の夏の食べ物と言えばロブスターロール。殻をむいたロブスターの身をパンに挟んだだけの食べ物だが、シンプルなだけに店によって味わいが全く異なり、意外に奥が深い。コネチカットから北の沿岸沿いには「シャック」と呼ばれる小屋から、正統派シーフードレストランまでロブスターロールの人気店がたくさんある。今回はホワイトプレーンズから車で1時間前後で行ける近場のおすすめどころを3軒紹介しよう。


The Lobster Shack

 2008年ブランフォードで小さなトラックで開業した店が人気を呼び、2019年装いと規模も新たにイーストヘブンへ移転。通常より長めのパンにレモン風味のバターで和えたロブスターが4/1パウンド(約113グラム)はさんである(22ドル99セント)。レモン風味がきいて意外にあっさりして美味しい。店は海岸に面していないが入江がすぐ近くにあり、1階と2階の店内席のほかテラス席もあり収容能力大。日〜水11:30〜19:00、木11:30〜18:00、金・土11:30〜20:00

住所:3 Cosey Beach Ave. East Haven, CT 06512 

電話:203-747-4997  https://www.lobstershackct.com/


The Lobster Shack

(同名だが先述の店とは全く関係がない)

 この店ではマヨネーズで和えたメインスタイルとバター風味のコネチカットスタイルを用意(いずれも24ドル95セント)。大きなロブスターのむき身がゴロゴロ、シャキシャキのコールスロー付きなのも嬉しい。3軒の中では最もNYに近く、メトロノースのニューポート駅から徒歩圏。店は広い駐車場内にあり、他の2店と比較すると眺めは良くないが、テイクアウトして近くを流れるソーガタック川沿いの33号線を北上、または南下して海沿いの公園に車を停めて食べるのも一案。月〜金16:00〜20:00、土・日12:00〜20:00

住所:540 Riverside Ave. Westport, CT 06880 

電話:203-226-2529  https://www.ctlobstershack.com/


Guilford Lobster Pound 

 ギルフォード湾に面した立地にあり、これぞロブスター小屋!の雰囲気たっぷり。こちらもバターで和えたロブスター(4/1パウンド)をトーストに挟んだコネチカットスタイル(20ドル)。左にマリーナ、右に葦原、そして正面に青い海を眺めながら食べるロブスターロールは自然と評価が上がる。ホワイトプレーンズから車で1時間10分ほど、気分転換におすすめ。月〜木12:00〜17:00、金〜日12:00〜18:00

住所:505 Old Whitfield St. Guilford, CT 06437

電話:203-453-6122  

https://guilford-lobster-pound.business.site/


■ロブスターロール発祥の地

 諸説あるが、1927年にコネチカット州ミルフォードにあるレストラン「ペリーズ」のオーナー、ハリー・ペリー氏が客のリクエストに応えて作ったのが始まりと言う説が一般的。ペリー氏が考案したのはグリルした暖かいサンドイッチで、そのために専用のパンをベーカリーに作らせるなどして工夫を重ねた。ペリーズのロブスターロールは評判を呼び、コネチカットの海岸沿いにロブスターロールの店が多数出現し、どんどん北へと広がって行った。

■コネチカットスタイルVSメインスタイル

 ロブスターにバターをまぶして、トーストした暖かいパンで挟んだペリーズ流コネチカットスタイルに対し、メインスタイルはロブスターをマヨネーズで和えてレモンジュース、セロリ、さいの目に切ったネギを加えた冷たいサンドイッチ。同じロブスターを使ったサンドイッチなのに味わいが全く異なり、好みの味を探すのも楽しい。

■ロブスターロールがニューイングランド地方に定着したのは1970年代

 特に北部ではメイン州ウィスカセットの街道筋にある「Red’s Eats 」の功績が大きいと言われている。こちらは車で片道5時間半かかるので日帰りは厳しいが、一つのロールに二匹分はあると思われる量のロブスターが乗っていて圧巻。ロブスターには味付けがされておらず、バターとマヨネーズが小さな容器で添えられてくる。メインに行く機会があったら足を伸ばす価値あり。www.redseatsmaine.com